実はM&Aのリスクを大きく左右する、労務デューデリジェンスとは。
2016/06/30
こんにちは。千代田区の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。最近、三人目のこどもが産まれまして「仕事にプライベートに、さらに頑張らなければ!」と気合が入りまくっています。
今回は「労務デューデリジェンス」についてのお話です。
この「デューデリジェンス」という言葉はご存知ですか?これは、簡単に言えばその会社の「価値の評価査定」をすることです。普段は馴染みがないものですが、これが絶対に必要とされる場面があります。それは、M&A(企業の合併・買収)が行われるときです。
企業の「身辺調査」がデューデリジェンス
M&Aは、よく結婚に例えられます。人が結婚をする際には「身辺調査」を行うことがありますよね。借金はないか・・・他に恋人はいないか・・・本当にこの人と結婚してよいのだろうか・・・などなど。そして、会社どうしが結婚をする際に、その身辺調査にあたるのがデューデリジェンスです。
身辺調査と同様に、デューデリジェンスも「提出された決算書が正しいか」「そこに記載されていない負債はないか」「不正な経理処理がないか」など、外部の専門家の目で会社を適正に評価していきます。そこで問題が発見されなければ、晴れてM&Aの成立となるわけです。
労務面にも、さまざまなリスクが隠れています
以前はデューデリジェンスと言えば、主にその会社の「財務」を中心として行われてきました。しかし、ここ最近では、労務面でのデューデリジェンスを希望する会社が増えています。
例えば、買収しようとしている会社に、(故意であるかないかにかかわらず)従業員に対する「未払い残業代」があったとします。そのことを知らぬまま、M&Aが完了するとどうなるでしょうか?その未払い残業代を支払う義務は、買収した会社側に移ってしまいます。
この他にも「社会保険料の滞納」や「退職金の積立不足」「安全配慮義務違反による損害賠償請求」など、実は労務周りにおいても重大なリスクが隠れていることが多々あります。そして、それは従来の財務中心のデューデリジェンスでは発見することが難しいのです。
労務デューデリジェンスは、社会保険労務士の領域です
それでは、労務デューデリジェンスはどこに依頼すればよいのでしょうか?
現在はさまざまな士業の方が、「財務」や「法務」のデューデリジェンスの延長で実施する場合もあるようです。しかし、たとえば給与だけを例にとっても「割増賃金の対象となる賃金、ならない賃金」「給与計算時における賃金や、労働時間の端数処理」の正確な把握など、特別な専門知識が求めれます。
そのため、日々、就業規則の作成や給与計算業務をおこない、各企業における人事労務リスクの事例にも精通している社会保険労務士への依頼がもっとも安心できる選択といえます。
M&Aは会社にとって非常に大きな決断であり、絶対に失敗はできません。各分野の専門家の知識と経験を活用しながら、ぜひ無事にゴールまで進めてください。
※私たちの事務所でも、これまで多くのお客様とかかわってきた長年の経験、そして労働基準監督署の調査対応に数多く立ち会った実績をもとに、労務デューデリジェンスサービスを提供しています。ご検討の会社様は、ぜひお問い合わせください。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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