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既卒者を新卒として採用すると「三年以内既卒者等採用定着奨励金」が支給されます!

2016/09/10

既卒者を新卒として採用すると「三年以内既卒者等採用定着奨励金」が支給されます! - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。

さて、毎年4月になるとニュースで新卒の就職が報じられます。また、最近では就職活動の開始時期についても何かと話題ですね。それくらい、企業にとっての新卒採用は、将来も安定的に成長するための重要な取り組みとなっています。

ところで、新卒採用においても、企業に支給される助成金があることはご存知でしたか?今回は、その「三年以内既卒者等採用定着奨励金」についてご紹介します。

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

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どのような人の採用が対象に?

この「三年以内既卒者等採用定着奨励金」は、

《学校等を卒業または中退しており、これまで同一の事業主に労動者として12ヶ月以上雇用された事がない者》

を新卒として採用した場合に支給される助成金になります。

 

対象者は次のように定義されています。

①学校、専修学校、各種学校、外国の教育施設の卒業者または中退者
②公共職病能力開発施設や職業能力開発総合大学校の職業訓練の修了者、または中退者

これはたとえばですが、

*大学を卒業してから、一定の期間が経過しているが、これまで就職したことがない
*高校を中退してから、数社の職歴があるが、いずれも入社から12ヶ月未満で退社している

といった方が対象となります。(仮に12ヶ月以上働いたことがある方でも、「アルバイト」や「有期契約」での雇用だった場合には、この給付金の対象となります)

 

注意していただきたいのは、一般的な意味での「新卒採用」(卒業前に内定を出すなど)は、この助成金の対象とはならないことです。卒業している者を採用した場合でも、もしも卒業前から採用に関するアクションがあった場合には、助成金の対象とはなりません。

※「既卒者」の定義は「卒業の『翌日以降』に、採用に関するアクションがあった方」となります。

 

企業に求められる要件は?

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この助成金は、<既卒者等コース>と<高校中退者コース>の2つに分かれますが、対象者が異なるだけで、企業に求められる取り組みはほとんど変わりません。

<既卒者等コース>の対象者 ・・・ 高校・大学など各種学校の卒業者、または中退者(高校を除く)
<高校中退者コース>の対象者 ・・・ 高校の中退者

 

企業に求められる取り組みや、助成金の支給要件は次のとおりです。

◇既卒者・中退者が応募可能な新卒求人を申し込み、その求人に応募した既卒者・中退者を通常の労動者として雇用すること◇求人内容は、少なくとも卒業または中退後3年以内の者であれば応募が可能であること

◇該当の求人を出す前の3年間で、既卒者・中退者が応募可能な求人の申込または募集を行なっていないこと

 

ここでのポイントは、新卒採用の求人内容に『既卒者や中退者の応募も可能』ということを記載することです。これまでに助成金の対象となるような従業員の方をすでに採用している企業であっても、今までの求人内容ではそのような表記をしていなければ、今後の求人内容に表記することで、助成金の支給対象となります。

また、採用のルートに制限はありません。ハローワークであっても、民間の求人媒体などからの採用であってもOKです。

 

企業に支給される助成金の金額は?

対象者を雇い入れて、要件を満たした場合に、その定着期間などに応じて、下記の金額が支給されます。助成金の対象となるのは、1企業につき2名までとなります。

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若年雇用促進法に基づく認定企業(ユースエール認定企業)の場合は、「1年定着後」の金額にいずれも10万円が加算されます。

給付は、対象者を採用後に1年ごとに行われ、1人につき最大3回まで支給されます。申請は採用後1年経つごとに、2ヶ月以内に行う必要があります。※例えば4月1日入社の場合、毎年5月31日までに届け出る必要があります。

 

卒業から3年以内に離職する人は、およそ3人に1人

人口減少にともない、新卒採用はその母数も徐々に減少し、人材の確保がますます難しくなっています。その一方で、厚労省の発表では、次のようなデータもあります。

◇新卒者の1年以内の離職率(平成26年3月卒)
高卒19.4% 大卒12.2%

◇新卒者の3年以内離職率(平成24年3月卒業者)
高卒40.0% 大卒32.3%

応募の母数拡大や採用の間口を広げるという点で言えば、助成金の申請は別としても、このような早期に離職した人も採用の対象とすることに一考の余地はあります。

「前職をすぐに辞めている」あるいは「学校を中退している」などという点から、採用に慎重になる採用担当者の方もいるかもしれませんが、履歴書を見て、実際に会ってみてから判断されても遅くないはずです。今回の助成金を機に、採用の幅を広げることも検討されてはいかがでしょうか。

 

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濵中 伸介(はまなかしんすけ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
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