新しい働き方!「限定正社員制度」と「テレワーク制度」がいま注目されています。
2016/10/30
こんにちは。東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンの笹沼(ささぬま)です。先日、人生2回目のボルダリングを経験し、1年前の前回にはクリアできなかったステージをクリアすることができました。大きな達成感を味わうことができ、その後のビールの味も格別でした!
さて、会社における従業員の働き方として、これまでは正社員や契約社員、パート・アルバイト、そして派遣社員などといった雇用形態が一般的なものでした。しかし、昨今ではその枠にとらわれない新たな働き方を導入している企業が増えてきています。
その背景には、労働者の仕事に対する価値観の多様化があります。そして、それぞれの価値観や家庭の事情に合わせた雇用形態を導入することで、長期の雇用に結びつけ、労働生産性を高めたいという企業側の狙いにもつながっています。
では、新しい働き方にはどのようなものがあり、会社はどのような点に注意すべきでしょうか?今回は「限定正社員制度」と「テレワーク制度」についてご紹介します。
「限定正社員制度」とは
これまでは正社員といえば「フルタイム勤務」「全国転勤あり」「職種変更あり」といった要件が一般的でした。しかし、正社員であっても『労働時間・場所・職種』を事前に限定した、「限定正社員」というスタイルが注目されています。
ここで大切なポイントは《限定正社員として入社した社員が希望した場合、通常の正社員にも転換できる》という制度にしておくことです。さらに《通常の正社員も、一時的に限定正社員に転換して、その後に再度、通常の正社員に転換することができる》という制度であれば、より従業員にとって働きやすい職場環境が実現することでしょう。また、これには「優秀な人材でありながら、通常の正社員としての勤務は難しい」といった人材の採用がしやすくなるという効果も期待できます。
「テレワーク制度」とは
働く場所を会社に限定せず、自宅や図書館、カフェなど自分で自由に選ぶことができるのが「テレワーク制度」です。(それが自宅限定の場合には、特に「在宅勤務」として知られています)
小さな子供がいる家庭や、介護が必要な家族がいる家庭では、常に家族の状況を把握する必要があるため、自宅を離れることが困難な場合があります。企画職やクリエイティブ職などの場合には、社内で考えるよりも、社外のリラックスできる環境の方が、新しい発想が生まれることもあるでしょう。また、自宅から会社までの通勤時間が長い社員ですと、通勤することに疲弊してしまい、本来のパフォーマンスを発揮できないかもしれません。
そのような課題に対応した働き方として、「テレワーク制度」は着実に拡がっています。
テレワーク制度における雇用形態や就業条件は、会社が自由に設定することが可能です。ただし、「誰もがいつでも自由に利用できる」ものにすれば、社内の統制が取れなくなる可能性もあります。そこで、まずは一部の社員に限定する、または取得できる日数や時間を制限するという導入がよいでしょう。
例)
・利用は入社3年以上の正社員に限定する。ただし、入社3年以下の社員でも、家庭の事情でやむを得ない場合などは上長と相談のうえ、決定する。
・1週間のうち、最大2日までの取得とする。
運用を開始し、状況を確認しながら、対象者の幅を広げても良いかもしれません。
制度導入のためのポイントは?
このような新しい雇用形態を導入するためには、事前に、就業規則への各種の規定が必要となります。
【規程の例】
限定正社員制度の場合)
・1日の所定労働時間は6時間~8時間の間で、上長と相談の上、決定する。
・勤務地は採用時の事業所に限定し、事業場の変更は行わない
・職務は、採用時に決定した職務に限定し、定常業務を主に行う。
テレワーク制度の場合)
・在宅勤務やその他自身で選択した場所での勤務を希望する場合、場所・時間・業務内容について、事前に上長の承認を受ける。
・業務の就業と終了後には、必ず連絡を入れる。また、終了後には成果物を提出する。
もしも、このような規程を無しに運用を開始してしまうと、従業員が好き勝手に就業できることとなり、会社の統制が取れなくなってしまいます。また、制度を利用して、うまく仕事をさぼろうとする従業員も出てくるかもしれません。
また、在宅勤務制度やテレワーク制度を導入する場合には、セキュリティ対策が必須です。社外で使用するパソコンへのウィルスソフトの導入や、パソコンにアクセスするパスワードの設定など改めて確認しましょう。
これまでと違う制度を導入することに、会社によっては抵抗感もあるでしょう。しかし、自社独自の働き方を導入できれば、優秀な人材の雇用や、労働生産性のアップが期待できます。それによって業績があがれば、会社にとっても、働く従業員にとっても大きなメリットとなるはずです。もしも導入についてお考えであれば、ぜひ私どもの事務所にご相談ください。
社会保険労務士法人アールワン 笹沼 瞬(ささぬましゅん)
生命保険会社の営業職から転じて、入社13年目。担当クライアントの多くが社員100名以上の規模の会社様ということもあり、法改正の情報は特に早めにキャッチアップすることを心がけています。得意な分野の助成金・補助金申請はずいぶんと経験値が増えてきました。趣味でテニス(最近はインドアが多いです)をやっていますので、テニスやられる方はぜひお声かけください。
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
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