「それは本当に必要?」労働時間短縮のために、サービスを見直してはいかがでしょうか。
2017/07/30
こんにちは、東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。最近は「体幹」を鍛えることを意識して、自宅で腹筋と背筋の筋トレを始めました。「目指せ、シックスパック!」です。
つい先日ですが、宅配便のヤマト運輸が「配達時間帯の指定枠の変更」や「再配達依頼の締切時間を早める」といった決定をしたことで話題となりました。
この取り組みについて、利用者の一部にはサービスの低下を嘆く声もあるようですが、私は個人的に「労働時間の削減」という視点で大賛成です。そこで今回は、私が考える「労働時間短縮のために、もっとも効果的なこと」をお伝えします。
社員の意識だけで、労働時間を短縮できるでしょうか?
現在、国は「働き方改革」の一環として長時間労働の抑制に力を入れており、「プレミアムフライデー」や「キッズウィーク」などの施策を矢継ぎ早に発表しています。その結果、会社もなるべく労働時間を減らそうと従業員に働きかけています。そのこと自体はとてもよいことですが、従業員からは「そんなことを言われてもやらなければならない業務がたくさんある」「では、誰が代わりに仕事をしてくれるんだ」といった悲鳴に似た声があがっているのも事実です。
労働時間の削減を実現するためには、会社からの働きかけや変形労働などの制度の見直しだけでは十分とは言えません。そして、なぜ私がヤマト運輸の取り組みに賛成かと言うと、労働時間の削減を実現するためには「顧客に対するサービスを見直すこと」がもっとも効果を発揮すると考えているからです。そして、有名企業のこの取り組みが事例となり、多くの会社にも同様の動きが拡がっていくことを期待しています。
顧客のためにスタートしたサービスが、いつの間にか自分たちの満足のためとなってしまい、実は顧客はあまりメリットを感じていない・・・ということをやり続けているケースはないでしょうか?じつは、私も以前にそれを当事務所の業務において体験したのです。
多くの時間を割きながら、必要とされていなかったサービス・・・
私たちの業務のひとつである社会保険や労働保険の手続きを行うと、手続きの完了後には必ず役所から控えの書類が発行されます。そこで発行された控え書類は、(特に用途はないものの)会社で保管しておくのが通例です。そのため、私たちの事務所で手続きを代行した場合も、発行された控え書類を一つひとつ、各社に郵送していました。
しかし、従業員の入社や退社が多い会社では郵送の頻度も高く、この作業に毎月多くの時間を費やしていることが課題となっていました。もちろん郵送コストも発生します。
そこで私が担当する顧問先の会社に対して、
「今後は、控え書類についてはこちらで責任を持ってお預かりします」
ということをお伝えして、控え書類の送付を止めてもよいかの確認をすることにしました。
その結果、驚くことに半分以上の会社において「今後の郵送は不要です」という回答をいただきました。「今まで送ってもらっていたけど、保管場所に苦労していたので助かります」とおっしゃっていただける会社まであったのです。
私たちが今まで、当たり前に必要だと思って多くの時間を割いていた控え書類の郵送ですが、実は多くの顧客にとってはあまり必要だと思われていなかったサービスだということです。これで郵送の作業が減った結果、当事務所の月の労働時間も大きく削減することができました。
これは私たちの事務所の例ですが、このようなことはどの会社にも当てはまることではないでしょうか。そして間違いなく言えることは、労働時間短縮は社内の取り組みだけでは限界があるということです。
顧客に対するサービスの見直しや廃止を行うことは勇気がいることですが、事前に顧客と話をしてみることで、意外にも簡単に業務の見直しができるケースも多いはずです。まずは自社の顧客とのやり取りやサービスのなかに顧客が必要としていないものがないか、ぜひ一度考えてみてください。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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