新入社員の方々にお伝えしたい、社会人として大切なこと。
2018/02/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。東京オリンピックに向けて英語の勉強をしたいと思いながらも、時間だけが過ぎていく今日この頃。そろそろ何かアクションを起こさなければと焦っています・・・。
今回のテーマは「新入社員研修」です。毎年春には、お客様の会社の新入社員研修の講師を担当させていただいていますが、その時期に私は、自分が社会人1年目だった頃のことをよく思い出します。
「なぜ、新聞を毎日読まなければいけないのか」
今をさかのぼること約17年前、大学を卒業した私は、とあるサービス業の仕事に就きました。そのときの新入社員研修のあるシーンが今も私の中に強烈に印象に残っています。それは、社長から順番に始まった講話が常務の番になった時でした。常務が開口一番、次のように言ったのです。
「君たち、とにかく新聞を毎日読みなさい!」
それを聞いた、当時の私の反応は「サービス業で新聞なんか読む必要ないのでは・・・」でした。「それよりも、業界の専門知識を身につけるほうが大切だろう」と。そのため、私は特に新聞を読むことなく社会人生活をスタートさせることになりました。
しかし、その言葉はずっと私の心に引っかかっていました。そして入社から2年目の異動によって、経営数字を把握する必要性や、外部の方と話をする機会が増えたことをきっかけとして「よし、新聞を必ず毎日読むようにしよう!」と思い立ったのです。
それから社会人経験を重ねたことで、あのときに常務が言いたかったことが理解できるようになりました。「サービス業でもその世界のことしか知らないようでは一人前とは言えない。他社でも通用するビジネスマンになるためには、目の前の世界だけを見るのではなく、大きな視点を持つことが必要である」ということを、あのときの常務は私たち新入社員に伝えたかったのだと思います。
「法律の手前にお伝えしたいことがあります」
現在、当所ではありがたいことに顧問先の会社の新入社員研修を担当させていただく機会を多く頂戴しています。新入社員は会社にとって大げさな表現でなく「宝物」です。その大事な社会人生活のスタートとなるのが新入社員研修ですから、私たちの責任は重大です。
研修をどのような構成で行うか、そこで何を伝えるべきか、それらを考えるときに思い出されるのがあのときの常務の言葉です。私も、今後何十年も続く社会人生活の基礎部分となるような本質的なことを伝えたい、という思いで研修の内容を考えています。
たとえば、私が新入社員研修でいつもお伝えしていることの一つは
「法律は道徳の上に成り立っている」
ということです。世の中はあらゆるルール(法律)が存在しており、私たち社会保険労務士もその法律を扱って仕事をしています。しかし、そのベースとなるのは社会人としての「道徳観」です。
卑近なところですと、たとえば有給休暇についてです。労働基準法においては「入社後6カ月が経過すれば10日の有給休暇が付与され、それを好きな時期に使う権利がある」となっています。しかし、取得時期について会社の繁忙や共に働く社員の業務に配慮するということは、その権利以上に大切なことです。そのような会社の一員としての道徳観を持たずに、単にルールだけが優先されることなどありえない、ということをあえて法律の専門家である我々の口から、新入社員の方々が納得してもらえるように丁寧にお伝えしています。
このように、私たちの新入社員研修は基礎的なビジネスマナー研修というよりも、その後の長い社会人生活のスタート地点における「社会人としてどうあるべきか」という意識づくりを目的としています。法律をはじめとするルールは時代とともに変化しますが、「あるべき姿」が簡単に変わることはないと考えているからです。
今年も、もう少しで新入社員研修の時期になります。新入社員のみなさんの眼差しは、いつも眩しいほどにまっすぐです。その瞳に映る講師として、私も全力で今年の準備を進めていきたいと思います。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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