信頼の構築に欠かせない「うなずき力」。あなたは普段どれくらい意識していますか?
2018/10/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。プロ野球のシーズンもいよいよ大詰めを迎え、息子と一緒に毎日の結果に一喜一憂している今日この頃です。
当社では、ありがたいことに社内研修のご依頼をいただくことが多くあります。少し前までは「ハラスメント」や「労働時間」についての研修が多かったものの、特にここ最近は管理職の方を対象とした「コミュニケーション研修」のご依頼が増えてきています。
会社における労務トラブルや評価制度がうまく機能しない理由のひとつとして、上司と部下の「コミュニケーション不足」は常に大きな課題です。そこで今回は、コミュニケーションにおいて特に重要なキーワードとなる「傾聴」についてお伝えします。
傾聴で大切なことは?
通常では、人の話を聞くときには「聞く」という漢字を使います。この漢字には「耳に自然に入ってくる」という意味があります。それに対して、「聴く」という漢字の場合は「自分で意識して聞く」という意味に変わります。他者との信頼関係を築くためには、この「聴く」ことが最も大切なことだと言えます。
それでは、傾聴の大切なポイントは何でしょうか?それは・・・すばり「うなずき」です。人は自分の話をうなずきながら聞いてもらうと、承認されているという安心感をもち、心を開いてくれます。逆に、うなずきがない(少ない)場合、自分を受け入れられていないと感じて、その後の話が止まってしまいます。
そして、このうなずき効果は私も過去の2つの場面で強く実感したことがあります。
2つのセミナーの対照的な反応
その場面は、両方とも私が講師を務めるセミナーでした。片方は、建設業の社長や担当役員を対象にしたセミナーでした。私が話を初めてすぐ気がついたのですが、みなさん腕組みをしながら私の話を聞いており(少し怒ったような表情にも見えます・・・)、ほとんどうなずいている人がいません。当時の私はまだ若かったこともあり、「自分の話がうまく伝わっていないのでは・・・?」との焦りから、どんどん早口になってしまったということを覚えています。しかし、最後にいただいたアンケートでは予想に反して「よくわかった」という意見も多く、内容が全く伝わっていないというわけではありませんでした。
もうひとつの場面は、保育園の保育士の方を対象としたセミナーでした。このときは女性が多かったのですが、私の話をみなさん笑顔で、大きなうなずきで聞いてくれました。おそらく普段子どもと接しているため、無意識に行っているのだと思いますが、話をしていてすごく受け入れられているという印象を持ちました。そのため、私もお一人お一人の表情を見ながら、最後まで安心して話をすることができました。結果として「セミナーの内容もよかった」というお言葉をいただくことができました。
このような対照的な経験からも、私はうなずきがもつパワーを実感するようになりました。
今回は、傾聴にはうなずきが欠かせないことをお伝えしましたが、ただ単純にうなずいていればよいかというとそうではありません。頻度やスピードを間違えると逆に人の話を聞いていないような印象を与えてしまうこともあります。相手が話すテンポやトーンに合わせてうなずきをすることがポイントであり、それを自然にできるようにするためには継続的に実践をしていく必要があります。
昨今多く発生している労務トラブルにおいても、そもそもコミュニケーションがうまくできていれば大事にまで至らなかった、という案件も多いはずです。日頃から傾聴力を高めることを意識していただくことで、ぜひ円滑な人間関係を築いてください。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
アールワン作成のお役立ちページ |
---|