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間違えていると大変なことに!標準報酬月額の変更が発生する4つのタイミング。

2018/11/20

間違えていると大変なことに!標準報酬月額の変更が発生する4つのタイミング。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。

従業員の社会保険料の計算基礎となる「標準報酬月額」は、毎年7月に会社が提出する算定基礎届に基づいて9月に見直しがされます。この標準報酬月額は、毎月の給与から控除する社会保険料の計算基礎となることはもちろん、傷病手当金や出産手当金、そして将来受給できる年金額にも影響する重要なものです。

この標準報酬月額は会社からの届出に基づいて決定されているため、手続きが間違っていたり漏れたりすると、従業員にも大きな影響がでてしまいます。そこで今回は、標準報酬月額が変更されるタイミングについてまとめてお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

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1.入社時の資格取得届(取得時決定)

社会保険に加入する際に、最初に標準報酬月額が決定されるタイミングです。基本給や各種手当のほかに、通勤手当も含んだ金額を届け出る必要がありますので、漏れがないようご注意ください。

 

2.毎年7月の算定基礎届(定時決定)

4月~6月に支給された給与の平均額に基づき、9月からの新たな標準報酬月額を決定する手続きです。3月以前の給与分を遡及して支払う場合(※)や、経費精算金などは算定基礎の賃金対象にはなりませんので、不要な賃金が計上されていないか確認するようにしましょう。
※たとえば、3月支給の給与時に昇給はしたものの、給与計算が間に合わず4月支給の給与時に3月分の昇給差額を支給する場合など。

 

3.固定的賃金に変動があった場合(随時改定)

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基本給や通勤手当など毎月定額で支給されている賃金に変動があり、変動月から3ヶ月の平均額が大幅に増減した場合に、4ヶ月目の標準報酬月額から改定される手続きです。(例:1月支給給与で変動あり⇒1月~3月支給給与の平均を取り、4月から保険料を改定)

変動した固定的賃金の額が少額であっても、変動月以降に残業が多かった場合などは随時改定の対象となることがあります。また、2018年10月からは新たに「業務の性質上、《4~6月の平均額》と《年間の平均額》には大きな差が出ることが例年見込まれる」という場合には、年間平均額の標準報酬月額を採用できるという制度が導入されました。

随時改定には多くの要件があり、改定対象となるかどうかの判断も複雑です。もしも不安があれば、年金事務所か会社が加入する健康保険組合に確認するとよいでしょう。

 

4.産休・育休終了時に賃金変動があった場合(休業終了時報酬月額変更)

産前産後・育児休業から復帰した際に、時短勤務によって賃金が下がった場合などに標準報酬月額を改定する手続きです。随時改定と比べて要件が緩和されているため、産前産後・育児休業が終了する日の翌日の属する月から3ヶ月間のあいだで1ヶ月でも17日以上の出勤があり、標準報酬月額の変動があれば改定対象とすることができます。

 

年金事務所の調査などによって、もしも標準報酬月額が間違っていたことが判明した場合には、最長で2年さかのぼって社会保険料の追徴が行われます。社会保険料が追徴されることとなった場合、従業員の負担も大きいものとなり、関係の悪化は避けられません。そのような背景から、追徴時には会社が従業員負担分も含めて差額保険料を支払うこともあります。

標準報酬月額は「間違っていてもそのことに気づきにくい」という特徴があります。上記4つのタイミングで手続きが漏れないように注意するとともに、不安な点は役所に確認するなど慎重に手続きを行うようにしましょう。

 

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濵中 伸介(はまなかしんすけ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
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