何日付与する?有給休暇の比例付与。
2019/10/30
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。
2019年4月から、10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し年5日以上の有給休暇取得および有給休暇管理簿の作成が義務化されました。
4月以降、有給休暇の話題があがるなか、よく問い合わせをいただくのが、「正社員より所定労働日数が少ない、所定労働時間が短い労働者に有給休暇が何日付与されるのか?」です。
今回は、有給休暇の比例付与についてご紹介します。
通常の有給休暇の付与日数
下記のいずれかの働き方をする労働者には、年10日以上有給休暇が付与されます。
①1週間に所定労働時間30時間以上
②1週間に所定労働日数5日以上
③1年間に所定労働日数217日以上
週所定労働時間が30時間以上の場合は、労働日数に関わりなく年10日以上の有給休暇が付与されるため、所定労働日数が少ない方でも労働時間は必ず確認してください。
(例)
週4日、1日8時間勤務 → 所定労働日数は5日未満だが、週30時間以上勤務のため、有給休暇10日以上付与。
週5日、1日4時間勤務 → 週所定労働時間は30時間未満だが、週5日以上勤務のため有給休暇10日以上付与。
有給休暇の比例付与とは
上記のいずれにも該当しない労働者は、その労働日数に応じた有給休暇を付与しなければなりません。
付与日数は、厚生労働省から参考となる資料が出されています。
厚生労働省リーフレットシリーズ労基法39条
所定労働日数が少ない場合でも勤続年数によっては、有給休暇が10日以上付与される場合があり、有給休暇5日以上の取得、管理簿の作成が義務となります。
途中で労働条件が変わった場合の有給休暇付与日数
年度の途中で所定労働日数が変わる場合があります。その場合、有給休暇の付与日数は、有給休暇が付与される日の所定労働日数が基準となります。
労働日数・時間が増えた場合や正社員転換した場合でも、勤続年数はそのまま引き継がれます。特に勘違いされるのが、60歳の定年後、再雇用された際です。定年退職を迎え、労働条件を変えて再雇用された場合、勤続年数は再雇用前の入社日から継続し、退職前に付与された有給休暇もそのまま引き継がれます。
週4日、1日6時間の所定労働日数で比例付与。勤続年数は2000年4月1日が基準。
労働者の有給休暇に関する関心は高まっています。パート、アルバイトの方も、自分に何日有給休暇が付与されるのか、調べています。労働者から問い合わせが来た際に、会社が有給休暇の日数を把握していないと、労働者の不信感を買ってしまいます。年5日以上の有給休暇取得、管理簿の作成の義務化に注目しがちですが、労働日数の少ない労働者の有給休暇の比例付与の管理も行わなければなりません。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
アールワン作成のお役立ちページ |
---|