行動事実に着目した面接法
2019/12/30
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの高澤(たかさわ)です。来年2月に顧問先企業様と共同開催で、都内の子供たち向けにクラウンショーの開催を予定しており、会場探し担当となったものの、予約が取れず苦戦しています。都内にはこんなに沢山施設があるのだから、と油断していました・・。これを決めずして年は越すまじ、の気持ちなのですが。
今年は一にも二にもどちらを見ても「働き方改革」の年でした。法律の内容はもはや出つくした感があり、さて今回の内容はどうしようかと思いをめぐらしていると、20年近く前、外資の生命保険会社の営業の方と同行していた時の記憶がよみがえってきました。
「高澤さんのところでは、面接の時にどのような質問をしているの?」
「あんなこと、こんなこと(将来やりたいことは?等々、きわめて一般的な内容)」
「(はあ?)そんな相手が待ちかまえている(準備してきている)ゾーンに球をなげて、その人の何がわかるの。」
やれやれ、人を相手にしている商売でこのレベルか、という心の声が聞こえてきました。ならばと、プレイヤーとして結果を出しつつ、採用・教育も行っているこの方に教えを請い、その後実行しています。
今回は、成果を出せる人材の確保を目的とした、行動事実に着目した面接方法をご紹介します。
①行動事実に着目した面接方法とは
過去に成果をあげた人は、未来にも成果を生み出す可能性が高いという「成果の再現性」という考えがあります。過去の行動事実を丹念に確認することで、将来にも成果を生み出す可能性が高い人材を見つけ出そうとするのがこの面接方法です。働いた経験のない新卒の採用であっても、学生時代の経験を質問することで有効な方法です。
②過去の行動事実だけを聞く
人間は「考え」を聞かれると、『その問いに対して最も良いと質問者が思うであろう答え』、いわゆる受けを狙った答えを条件反射的に探す習性があります。さらに、面接担当者に好印象を持たれるためには、どのような考えを持つ自分、をアピールすべきか、すでに多くの就職対策書籍で模範解答が出されています。
しかし「私はこう思う、考える」ということと、現実に「行動する」ことは別のものです。
何のための質問かが明確でないまま、将来の希望、本人のやりたいことを聞く面接では、採用後は冒頭のようなこんなはずでは、、という結果になりがちです。
③5W1Hで行動事実を聞いていく
「いつ」「どのような場面で」「何(誰)に対して」「どのような行動をしたか」を丹念に質問をしてください。行うことは、過去の行動事実を丁寧にヒアリングすること、これだけです。その場で評価を行う必要はなく、むしろ評価および判断は面接後に行います。結果的に複数の人が何回も面接を行う必要はなくなります。
④具体的な質問の例
「あなたがここ数年に自分で取組んだ課題のうち、もっとも力を入れたことは何ですか?」
「その結果は具体的な形になってあらわれましたか?」
「実際どのようなことをしたのですか?そのときのことを思い出して教えてください」
「なぜ、そのような行動をとったのですか?」
「それに対して、まずあなたがしたことはなんですか?」
⑤優秀な人材に共通する答え方
・行動事実の記憶が非常に明確である。
・行動事実の種類が多様である。行動に柔軟性がある。
・行動事実に独自の工夫がある。
・突っ込んだ質問に対して、「常に一生懸命がんばった」「誠意を持って取り組んだ」というような主観的な修飾語で逃げない。
これらが共通するポイントとなります。
『採用した人物が期待外れだった』、『面接の時には優秀な人材に見えたのだが・・。』、という声は、人手不足であってもなくても変わらずです。
そして・・それでは、この面接方法で全勝ですね?と言われると、私の場合は11勝4敗ぐらいの勝率です。実は4敗になる時は決まっていて、猫の手も借りたい!時に面接をすると、この結果です。常に課題は自分にあり、を思うときです。
社会保険労務士法人アールワン 高澤 留美子(たかさわるみこ)
社会保険労務士事務所を開設して、歳月がたちました。最初の事務所は自宅の子ども部屋でした。お客様と本音でつながっている「パートナー」になれるよう、日々研鑽しています。モットーは「人間万事塞翁が馬」です。
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
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