こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの池田（いけだ）です。最近、時差出勤をしている会社が多くなってきていますが、弊社においても始業時刻が早くなりました。これまでより、早い時間の電車で通勤するため、混雑を避けてスムーズに通勤できるようになりました。

電子申請で旧漢字は申請できません

電子申請は、書類の手書きが不要で、届出で役所へ行く必要が無い為、時間もコストも削減することができるようになります。便利でいいことばかりと言いたいところですが、旧漢字の表記ができません。

雇用保険は、被保険者の氏名が基本的に「カタカナ」で取り扱われることとなりますが、離職票の被保険者氏名欄だけは漢字で氏名が表記、印字されます。しかし、この時にハローワークの電子申請のシステム上、表記できない漢字が存在し、その場合、そのままでは申請することができません。具体的には旧漢字の「髙」「﨑」などです。

現代漢字に直すと申請できますが、その場合現代漢字でしか手続き控えを受け取ることができません。

電子申請できない場合の対処法

それでは、旧漢字の方の手続きを行う際に正しい漢字で手続きするにはどうすれば良いのでしょうか？
それは、電子申請がスタートする前のように、離職票を手書きするしかありません。

手続きで大切なこと

このように紙で進行する場合、電子申請に比べはるかに時間がかかります。

離職票は、離職したご本人が失業給付を受けるために必要な手続きです。氏名の漢字が正しい、正しくないより、スピードを重視するという考え方もあります。または、大切なお名前で、間違いなく記載してほしいと言う考えもあります。そのためこのようなケースではご本人に確認を取ったうえで手続きを進めることとしています。

失業給付を受けとる際、旧漢字氏名の方の離職票の氏名表記が現代漢字となっていたとしても手続き上の問題は一切ありません。しかし、名前はその人が祖先から受け継いだものであり、親御さんの思いが込められたものです。失業給付を受けることに問題がないからといって、スピード重視で進めて良いものではありません。

また、会社と従業員の間でトラブルがある場合や、会社都合で退職となる方の場合、会社がせっかく時間をかけて退職まで事を持ってきたのにもかかわらず、氏名の違いによって、トラブルを引き起こす可能性があるため、特に慎重さが必要です。

技術の進歩が進み、人に代わりＡＩに仕事を取られると言われていますが、人でなければ想いが至らないことがあり、そこにこそ、私達の存在価値があると思います。