副業・兼業労働者の健康診断費用の助成が受けられます
2020/06/30
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。
先日、副業・兼業労働者に一般健康診断を実施(費用の負担)した企業に対する助成金の手引きが公表されました。副業・兼業を認める企業も増え、実際に副業・兼業をしている従業員が増えています。
副業・兼業労働者で、週の労働時間が通常の労働者の4分の3に満たない場合、健康診断の実施義務がないため、健康診断を受けていないという方が多くいます。しかし、健康診断を毎年定期的に受けると、小さな身体の異変を早期に発見できたり、日ごろからの生活にも気をつけようという意識づけにもなります。
東京都内の健康診断費用は1人当たり6,000円~10,000円のところが多いです。助成金を利用することで、会社負担なしに健康診断を促進できます。副業・兼業労働者に対して、ぜひ活用していただきたいです。
助成金を受けるための条件は?
①副業・兼業労働者のうち、助成金の対象となる範囲
・労働保険の適用事業場に雇用されている
・副業・兼業全ての事業場において1週間の労働時間が通常の労働者の4分の3未満
・40歳未満
②助成金額・申請の期間
令和2年4月1日~令和3年3月31日までに実施した健康診断の実費額(1人あたり10,000円が上限で1事業場あたり100,000円まで)
申請期限は令和3年6月30日までです!
③必要書類
(1)「副業・兼業労働者の健康診断助成金支給申請書」(様式第1号)
(2)「副業・兼業労働者に対する一般健康診断実施報告書」(様式第2号)
(3)健康診断実施に係る費用の領収書(写し)
(4)一般健康診断の診断項目及び金額が明記された書類
<副業・兼業労働者が直接健診機関で受診した場合>
・診断項目、実施費用が記載されているホームページ等の料金表
<副業・兼業労働者が健診機関と事業者の契約に基づき受診した場合>
・一般健康診断の実施者との契約書(写し)
(5)一般健康診断実施期間の問診実施医師にかかる医師免許(写し)
(6)「副業・兼業に関する証明書」(様式第3号) ※ア、イを添付
ア.健診実施月か前後1か月どれかの給与明細や出勤簿(副業・兼業先すべて)
イ.申請対象者の運転免許証など公的証明書
(7)労働保険概算・確定保険料申告書等(写し)
(8)支給要件確認申立書(様式第7号)
(9)「副業・兼業労働者健康診断助成金チェックリスト兼同意書」(様式第8号)
必要書類が多いと感じますが、新たに記入しなければならない書類は5種類です。記入箇所は多くありません。
健診実施機関の押印が必要な箇所があるので、余裕をもって書類の作成に取り組みましょう。
なぜ、健康診断を受けた方がいいのか?
定期的に健康診断を受けていると、糖尿病などの予兆を発見することができます。
例えば、健康診断を受けなかった場合どうなるのか。複数の会社でパートとして働いていた女性の事例を紹介します。女性は、仕事を休んでまで自己負担で健康診断を受けるくらいなら、何か症状がでたら病院を受診すればいいと考えていました。しかし、突然足に痛みを感じ病院を受診したところ、糖尿病から合併症を引き起こし、治療のために仕事を辞めなければならない状況まで進行していました。この女性が健康診断を受けていれば、血糖値などから糖尿病を早期に発見でき、治療と仕事を両立できたでしょう。
気づいた時には引き返しのつかない状況とならないよう、助成金を活用し、副業・兼業労働者に健康診断を促進しましょう。経験やノウハウを持った従業員に長く健康に働いてもらうことは、会社にとって長期的なプラスとなります。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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