今年の年末調整は早めの準備で万全に!
2020/09/20
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。
今年の年末調整は早めの準備が必要です。なぜなら、提出方法や申告書が大きく変わるからです。 年末調整と聞くと、従業員からの問い合わせが多く、チェック作業に多くの時間を割かれてしまい残業も増える・・・など、憂鬱だと感じる担当者の方も多いのではないでしょうか。問い合わせに対応する時間を削減できれば、大きな業務改善に繋がります。
そこで、今回は改正点と各申告書の記入例を紹介していきます。
今年の大きな改正 4点です。
1.申告書や保険料証明書を電子で提出できるようになりました。
生命保険料等の証明書を保険会社から電子データで取得し、申告書も証明書も全てデータで会社に提出できるようになりました。 従業員からデータで年末調整書類の提出を受けると、会社でのメリットは、添付された保険料証明書の金額と合っているかなどのチェック作業が不要になります。
従業員のメリットは、どの保険を書いたらいいのか悩むことなく、自分で計算する必要がなくなるので簡単に申告書を作成できます。 電子で提出できる社員には電子での提出を促進し、事務負担の軽減に繋げましょう。
2.基礎控除額が48万円に引き上げられます。
昨年までの38万円から10万円引き上げられ、給与収入2,000万円以下の全員が48万円の基礎控除が適用されます。
3.ひとり親控除が新しくできました。
寡婦控除・寡夫控除に加えて、ひとり親控除が新しくできました。
【ひとり親控除の条件】
本人:1年間の所得が500万円以下で、現在婚姻していない
※配偶者の生死が明らかでない場合も含む。
扶養親族:所得48万円以下の生計を一にする子(給与収入のみの場合103万円以下)
4.申告書の様式が新しくなります。
昨年まで、給与所得者の配偶者控除等申告書がありましたが、今年からは「給与所得者の基礎控除申告書兼給与所得者の配偶者控除等申告書兼所得金額調達控除申告書」という様式に変わります。
次の①から③のどれか1つでも該当する人全員が提出する必要があります。
①本人の所得が2,500万円未満・・・給与所得者の基礎控除申告書欄へ記載
②本人の所得が1,000万円以下で配偶者の所得が133万円以下・・・給与所得者の配偶者控除等申告書欄へ記載
③本人の給与収入金額が850万円以上で、次に該当する人は所得金額調整控除申告書欄へ記載
・本人が特別障害者に該当する。
・23歳未満の扶養親族を有する。
・特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する。
各申告書に記載する“収入金額”とは今年の1月〜12月に支給される給与額面金額のことで、“所得金額”とは収入金額から基礎控除の金額を差し引いた金額となります。
申告書の記入例
2給与所得者の扶養控除等(異動)申告書※寡婦、寡夫、ひとり親、障害者(記入例)
改正で様式が新しくなると、従業員のみなさんも戸惑ってしまい問い合わせが多くなります。私自身、提出された申告書をチェックしていると、記入ミスや添付もれで、何度も書類を返したり説明したりした経験があります。中には、申告書を返して、どこをどう直してくださいという説明をしても、「もう、よく分からないからそっちで書類書いてよ」なんて言われたことも・・・。
電子データの提出の促進や申告書記入例を活用して、今年はいつもより時間をかけずにできた!となるよう、事前の準備を行いましょう。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
アールワン作成のお役立ちページ |
---|