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高年齢雇用安定法が改正、高齢者の雇用について会社の方針を決めておきましょう。

2020/09/30

高年齢雇用安定法が改正、高齢者の雇用について会社の方針を決めておきましょう。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの西嶋(にしじま)です。最近、週末に1歳の息子と家の近所を散歩しています。転びそうになりながらも踏ん張って歩いている姿を見ていると、可愛すぎて愛おしい気持ちが抑えきれません。

高年齢雇用安定法により、会社に対して65歳までの雇用機会を設けることが義務化となっていますが、最近は65歳を超えて就労する方も増えてきています。

そんな中、令和3年4月に高年齢雇用安定法が改正されることになりました。今回は改正の内容と企業の対応についてお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

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改正内容(現行との比較)

<現行> ※義務です
65歳までの雇用確保措置を実施
・65歳までの継続雇用制度の導入
※65歳までの定年の引上げ、定年廃止については会社任意となります。

 

<改正後>※努力義務です
70歳までの雇用確保措置を実施(下記のいずれかを実施)
①70歳までの定年の引き下げ
②70歳までの継続雇用制度の導入
③定年廃止
④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
⑤70歳まで継続的に事業主が実施する社会貢献事業に従事できる制度の導入
※④、⑤は労働組合・労働者代表(過半数代表者)同意を得て導入となります。

 

会社の対応について

今回の改正は義務ではなく、努力義務となる為、70歳までの雇用確保の措置を直ぐにでも実施する必要はありません。とはいえ、少子高齢化が進み、人材の確保が難しくなっていく状況が想定されます。会社の状況に応じて予め対策を検討しておくのがよいでしょう。ただ、現状は下記が良いと考えます。

・70歳までの継続雇用制度の導入(定年後の嘱託契約)の検討

<理由>
①労災(業務災害)リスクが高まる
現在、60歳を超えた方の業務災害が一番多いです。(現場に出て行う仕事で多く発生)
業務によりますが、年齢を重ねるごとに衰えが出て業務に支障が出てくる可能性があります。

②定年の引上げ・廃止後、元の定年制には戻せない
定年の年齢の引上げ・廃止を行った後、定年の年齢の引下げ、再度制度を定めることは労働条件の不利益変更に該当します。
また、会社に残って欲しくない人材が会社に残ることになります。
退職となる場合、本人から申出がない限り、会社は給料を払い続けることになります。

定年(退職)というのは1つの区切りです。今後、継続して働くかについては、健康状態・就業意欲など、会社と従業員で話し合いを行い、決められる継続雇用の制度の導入が一番良いと考えます。

 

会社があえて高齢者の為に仕事を用意する必要はありません。しかし、今後、少子高齢化が進めば、人材の確保がさらに難しくなり、高齢者の雇用に目を向けないといけない時が来ます。

後々になって、「もっと早く対応しておけば良かった」とならないよう、どのような人材を確保し、どう活躍してもらうのか早急に決めておきましょう。人材を確保し、会社が存続・発展していくことを願っています。

 

企業の経営者・担当者さま

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西嶋 一樹(にしじまかずき)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな37歳です。担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。お客様の要望に迅速に対応できるよう、日々精進していきます。週末は家族と一緒に近所を散歩するなどしてリラックスして過ごしています。