従業員を守る「カスタマーハラスメント対策」
2020/11/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。
先日、飲食店でクレームをつけてクリーニング代を不当に請求するという事件がありました。飲食店などで働く人の約7割もの人がこのような経験があり、精神的なダメージを受けています。お客様と同じくらい従業員も会社にとって大切だからこそ、会社としての対策が必要です。
カスタマーハラスメントとは?
カスタマーハラスメントとは、顧客や取引先からの暴力や悪質なクレームなど迷惑行為のことで、次のようなものが挙げられます。
※UAゼンセン流通部門調査「悪質クレーム対策アンケート」(2017年10月発行)より
善意の意見か、悪意があるものかを判断しかねる、グレーゾーンの内容も多くあることでしょう。とはいえ、お客様のお話しを最後まで聞き、冷静に判断する必要があります。
企業が従業員を守るためには?
従業員を守るための対策として次の3つが必要です。カスタマーハラスメントを受けた従業員の離職防止に繋がります。
①社内での担当者(相談先)・店舗ごとの担当者を決め、従業員に周知する。
カスタマーハラスメントを受けた時、初期対応をする従業員は、「自分だけが責められている」という孤独感を感じます。担当者が明確になっていることで、担当者が一緒に対応してくれるという安心感から従業員の負担をやわらげることができます。
②カスタマーハラスメント対応マニュアルを作成する。具体的な対応の仕方を明確にしておく。
・どこまでなら許容できるのか。
・何人で対応するのか。
・お客様の要望に対してどこまでこたえるのか。
・記録・報告の仕方
③事例をもとに研修・教育を行う。
実際に会社で起きたクレームをまじえてロールプレイングで研修を行います。ロールプレイングを行うことで、お客様の視点からみた対応や、どこまで許容範囲なのかという線引きを体感できるため、より分かりやすくなると考えます。
カスタマーハラスメントが起きてしまったら?
対応した従業員は大きなストレスを感じ、「また来るかもしれない」という恐怖や不安を抱え仕事をしていくこととなります。
お客様は会社にとって大切な存在です。お客様の意見に対して即座にNOと言える従業員はいません。つい言いなりになってしまったり、その場しのぎの対応をとってしまうこともあるでしょう。いずれにしても、クレームの対応をする従業員は大きな精神的ダメージを受け、離職に繋がりやすくなってしまいます。
そうならないために、起きてしまったことは今後に生かす事例として向き合っていき、従業員が安心して働ける環境を作ることが大切です。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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