労務関連の2021年の展望
2021/01/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。新年あけましておめでとうございます。本年もアールワンをよろしくお願いいたします。
いよいよ2021年がスタートしました。まだまだ新型コロナウィルスは予断を許さない状況が続いています。そのような中、今週は2021年における労務関連のトピックスをいくつかお伝えします。
「雇用調整助成金の縮小(2021年3月1日以降)」
現在、新型コロナウィルスの影響を受けて従業員を休業させた場合にその休業手当の一部を国が補助する「雇用調整助成金」について今年の3月以降、特例の適用を段階的に縮小する予定になっています。現在適用されている主な特例は以下のとおりです。
①上限額の引き上げ(引き上げ前は8,370円、現在は15,000円)
②雇用保険被保険者でない従業員の休業も助成対象(本来は雇用保険加入者のみ)
③事前の休業計画届が不要
今後の新型コロナウィルスの感染状況により再度、特例期間が延長される可能性はありますが、今のところ上限額の引き下げなどで徐々に縮小をしていき、その代わりに他の産業への雇用転換を後押しする助成金が検討されています。そのため今から縮小されることを前提とした事業計画を立てておく必要があります。
「時間外労働の上限規制の確認」
労働基準法が改正され、中小企業においても2020年4月以降は時間外労働の上限が月100時間未満、年間720時間未満となりました。また、特別条項を適用できる月も年6回以内となります。施行から1年を迎える今年の4月以降、その結果が問われることになります。今後、この点を確認するための労働基準監督署の調査が増えることが予想されます。今一度、自社における勤務状況の把握、また長時間労働が発生している場合にはその対策を検討してください。
「2021年は雇用環境が激変する」
新型コロナウィルスの感染が拡大する前までは空前の人手不足でした。しかし、今はサービス業や飲食業を中心に従業員の解雇や雇止めが増えています。また、新規学卒者の採用を抑える会社も出ており、この流れはしばらく続くと思われます。その中で、採用を抑えるのか、それとも長期的な視点からチャンスとみて積極的に採用活動を行うのか、判断がわかれると思われます。いずれにしてもコロナの感染が終息した後を見据えた社内体制の整備が今から必要になってきます。
2021年について現状なかなか明るい話題がありませんが、ここを乗り越えるために必要なこと、それはそこで働く従業員がこのピンチをどれだけ自分事として捉えているかによります。今まで何もしなくても安定して給与を貰っていたことがどれだけありがたいことだったのか。その給与は誰から支払われていたものなのか(会社からではなく、お客様からである)。そして今自分たちは何をしていくべきなのか。
経営者の方は是非この機会にこそ、そのようなことを従業員の方とゆっくり話してみてはいかがでしょうか。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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