時間外労働の削減。上限規制以外の内容も重要です。
2021/05/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの西嶋(にしじま)です。最近、シリアルにはまっています。色々な種類があり、朝の忙しい時でも気軽に栄養補給できるので助かっています。
2019年4月から時間外労働の上限規制(720時間/年)が開始されてから2年が経過しました。上限規制のルールばかりに目を向けてしまう会社も多いと思いますが、それ以外にも大事な点があります。
今回は時間外労働の削減に取り組む際に目を向けるべきポイントと会社にできることをお伝えします。
時間外労働の上限規制とは
<原則> 労働基準法
・月45時間 年間360時間
・臨時の特別な事情がある場合でも、年間720時間(休日労働含まず)、単月100時間未満(休日労働含む)複数月平均80時間未満(休日労働含む)
罰則:6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金
※大企業は2019年4月から適用、中小企業は2020年4月1日から適用
上限規制以外の大事な点
(1) 中小企業における、月60時間以上の時間外労働の割増率の見直し
2023年4月1日から割増賃金率が25%→50%へ
(2) 時間外労働における医師の面接指導の実施
①100時間超え(医師による面接指導の実施)
②80時間超え(本人からの申出があって、医師の面接指導)
(3) 勤務間インターバルの普及促進
2019年4月1日から労働時間等設定改善法における勤務間インターバル制度(努力義務)が施行。勤務終了後、一定の休息時間を設けることを求めています。具体的な時間についてまでの定めはありませんが、国は9時間から11時間以上を推奨しています。
上限規制だけでなく、割増賃金の見直しや従業員の健康問題にも目を向けて時間外労働の短縮に取り組んでいかないと、割増賃金の増加など会社の負担が増加してしまうことになります。
会社にできることは?
①変形時間労働制やフレックスタイム制導入の検討
ある一定の時期のみ業務が集中する会社の場合、変形時間労働制やフレックスタイム制を導入することで、業務が集中しない閑散期に業務を行う必要がなくなり、時間外労働の削減が可能です。
②勤務間インターバル制度の導入の検討
業務終了後に一定の休息時間を設けることで、従業員の健康問題を防ぐ効果があります。
③有給休暇の取得推奨(計画的付与の実施)、ノー残業デー制度導入の検討
一定の時期に有給休暇の取得推奨をする、計画的付与の実施を行い、定期的に休暇を取得できるようにする。計画的付与は全社一斉ではなく、部門ごと個人ごとに設定・実施が可能です。週の1日はノー残業デーとすることで時間外労働の発生を抑えることができます。
世の中はものすごいスピードで変化しています。
会社も生き残りをかけて、新たな事業やサービスの提供を行っていかなければなりません。従来のやり方のままでよいのか考え、行動するのはコロナ下のまさに今です。
社会保険労務士法人アールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな37歳です。担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。お客様の要望に迅速に対応できるよう、日々精進していきます。週末は家族と一緒に近所を散歩するなどしてリラックスして過ごしています。
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
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