最低賃金引上げで申請できる助成金
2021/08/20
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。
2021年7月に開かれた中央最低賃金審議会にて、最低賃金を全国で28円引き上げることが示されました。これにより、東京では現在の1,013円から1,041円になることが予定されています。
そこで今回は、最低賃金引き上げに伴って申請できる助成金を2つ紹介します。
1.キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)
最低賃金の引き上げで対象となる数名のみを昇給すると、ほかの従業員に不公平に思えます。多くの会社では、職種や雇用形態ごとに昇給を行うことが多いです。
賃金規定改定コースでは、職種や雇用形態に応じて有期労働契約者の賃金を2%以上昇給した場合に助成金が支給されます。
助成額は何人を対象に何%昇給したかによって異なります。例えば、1~3人の職種で2%昇給したら1事業所あたり6万円(中小企業の生産性要件を満たすとき)、3%以上の昇給であればさらに加算されます。
2.雇用調整助成金の要件緩和
コロナウイルスの影響で事業縮小が余儀なくされている場合、従業員へ休業手当を支給した時には雇用調整助成金が支給されます。しかし、全体の2.5%以上の規模の休業のみを対象としています。
2021年10月1日以降の申請より、2つのポイントを満たすことで、全体の2.5%未満の小規模の休業でも申請ができるようになります。
① 事業所内の最低賃金を30円以上引き上げること
② 売上が30%以上落ちている場合や、要請により営業自粛している場合など助成金の特例に該当すること
これから営業を再開させていきたい。しかし、従業員のシフトを一斉に戻すと資金繰りが厳しい。そんな時には、小規模の休業でも活用できる雇用調整助成金の要件緩和を検討してください。
厚生労働省「最低賃金を引き上げた中小企業における 雇用調整助成金等の要件緩和について」
最低賃金の引き上げは、従業員の生活の安定を図ることを目的としています。とはいえ、コロナ禍での最低賃金の大幅な引き上げに、給与は払い続けられるのかと不安に感じる経営者も少なくないと思います。
そんな時には、今回紹介した助成金を活用してみてはいかがでしょうか。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
アールワン作成のお役立ちページ |
---|