アールワン日誌 Blog

厚生年金基金の脱退にまつわる、思わず苦笑いのエピソード。

2014/08/18

厚生年金基金の脱退にまつわる、思わず苦笑いのエピソード。 - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。社会保険労務士法人アールワン代表の高澤(たかさわ)です。先日は実家の秋田に数日帰省しておりました。いくつになっても実家では気が抜けて、ついついのんびり(だらだら?)としてしまいますよね。

さて今年の4月から、解散に向けて説明会を行う厚生年金基金(以下「基金」)が着々と増えてきています。

抜けたくても抜けられない状態が続いた多くの企業においては、(AIJの問題が契機とはいえ)基金の解散が進むことは数年前には考えられなかった良い展開だと言えるでしょう。

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

catButton - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

 

脱退させたくない基金

もともと、「基金のある会社に35年勤務したら、厚生年金にプラスして月に約3万円が多く支給される」というのが多くの基金におけるスタート時の約束ごとでした。

しかし、経済環境の変化、少子高齢化というお決まりの理由により、給付の減額と掛金の増額が続いて、これでは会社が加入を続けてもデメリットばかり。それでも自発的に脱退しようとすると一括拠出金を請求されてしまう・・・(一人あたり250万円、という基金もありました)。

これでは、解散という状況でさえも歓迎せざるを得ませんね。

さて、この7月中旬に、私も繊維系の基金に加入しているお客様の社長と解散説明会に参加しました。特に懸念となるような事項もなく、事務局の説明が淡々と続いていきます。

そのときに「思えばこの15年、基金からの脱退を行ったお客様は10数社ほどあったけど、脱退をさせたくない基金との間でいろいろなことがあったなあ・・・」と、ついつい思い出してしまったわけです。

 

えっ!脱退ができない??

pixta_7986740_S - 社会保険労務士事務所オフィスアールワン | 東京都千代田区

一番の思い出、それは、IT系の基金に加入しているお客さまが脱退するときのことです。

基金に行き、任意脱退の申し出を行ったところ、

 

担当者「うちの基金は、お金を支払っても脱退はできないんです。」

「(・・・!??)それは、いったい規約のどの部分に定めてあるのですか?」

担当者「できないものはできないんです」

 

取り付くしまがないとはこのこと。さて、困ったなあ・・・。

「これは将来必ず行き詰まる制度だから」とお客様と再三の打ち合わせを行い、社員の方への説明会もすでに実施しています。今さら「脱退できません」?それはありえない!

 

そこで翌日、弁護士の先生に連絡をしました。

「先生、私と基金の事務局に同行してください。先生は自己紹介だけしていただいて、あとは黙って私の隣にいていただけませんでしょうか」

とお願いし、再チャレンジしました。

 

結果は・・・

先日と同じ担当者「ええ、それはもう任意脱退、もちろんできますよ。それで、いつをご希望ですか?」

 

・・・それはそれは見事な手のひら返しに感心しつつ、やっぱり社会保険労務士って軽いんだなあと実感。「できません」と言われて帰らざるを得なかった自分の力不足にも苦笑いがこみ上げたものです。

 

えっ!そこで居眠り??

さてさて、思い出から現在に戻って、7月中旬の説明会。

運用幹事の信託銀行からは3名の方が出席し、説明をする事務局の方と並んで一番前に座っていたのですが、なんとお一人の方が説明会の間に30分も熟睡を・・・!(時間を測りました)

参加している経営者の方たちは、長年従業員のために掛金をかけ続けてきて、さらに基金の不足金を埋めるための掛金まで負担してきました。しかも解散によってそのすべては無に帰す、というが説明会の主旨です。

そこで居眠り・・・。う~ん、この状況を何だと思っているのかしら?と呆れていたのは私だけでしょうか。

 

そんなに居眠りしていると、どこかの社労士のブログに書かれてしまいますよ!

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

WEBからのお問い合せはこちら

高澤 留美子(たかさわるみこ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 高澤 留美子(たかさわるみこ)
社会保険労務士事務所を開設して、歳月がたちました。最初の事務所は自宅の子ども部屋でした。お客様と本音でつながっている「パートナー」になれるよう、日々研鑽しています。モットーは「人間万事塞翁が馬」です。