2024年4月より、36協定における建設業の上限規制が設けられます
2023/04/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの赤井(あかい)です。先日、夜間開館の日に国立新美術館に行ってきました。とても静かな環境でアートを鑑賞でき、日中の美術館とはまた違う楽しみ方を発見しました。
2024年4月1日より、時間外労働・休日労働に関する協定届(通称:36協定)において、全ての業種に時間外・休日労働できる時間の上限が設けられます。
上限適用まで、あと1年・・。そこで今回は、来年の36協定でどのような変更があるのか、建設業に焦点を当て、お伝えいたします。
そもそも36協定とは・・・?
労働基準法では、労働時間(法定労働時間)は、一日に8時間、週に40時間以内と定められています。
上記の時間を超えて働くためには、労使協定を締結し、労働基準監督署に届け出る必要があります。この労使協定が、36協定です。
労働基準法第36条に、時間外及び休日労働についての規定が定められていることから、36(サブロク)協定と呼ばれます。
建設業の2024年問題
36協定を締結することで認められる時間外労働時間は、原則として月45時間、年360時間以内です。その時間を超えて働く場合は、特別条項付きの協定を結ぶことで、月100時間未満(複数月平均80時間以内)、年720時間以内の時間外労働が可能になります。
今まで、建設業には、この時間外労働の上限が適用されていませんでした。つまり、従業員の方は何時間でも働くことができたのです。
この無制限で働ける状態が、2024年4月1日より、他の業種と同様の上限が設けられます。これがいわゆる「2024年問題」です。
特別条項が付けられるのは、臨時的で特別な理由がある場合のみです。また事業主の方は、従業員の方の健康および福祉を確保する措置を講じなければなりません。
上記の上限を超えて労働させると、事業主の方には6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられてしまいます。
2024年4月以降の時間外労働上限適用に備えましょう
建設業の労働時間は2021年度で年間平均2,032時間と、他の業種に比べ、長時間労働になりがちです。昨今の働き方改革の流れで、建設業も時間外労働上限規制となりました。
また2023年4月以降、中小企業にも、60時間超の残業代割増率1.25%⇒1.50%の引き上げが義務化され、長時間の時間外労働に対する風当たりは強くなるばかりです。会社は労働時間の削減を求められる中で、建設業においては人を増やそうとして求人募集をかけても、中々反響がない等、今まで以上に厳しい状況ではないでしょうか。
そのようなお客様のお困りごとに対して、退職金制度や福利厚生制度の導入など解決策を一緒に考える「企業経営のパートナー」を目指し続けます。
社会保険労務士法人アールワン 赤井 加奈絵(あかいかなえ)
服飾資材を扱う会社に勤務後、職場環境を整える仕事に興味を持ち、アールワンに入社しました。お客様に寄り添った課題解決をすることを心がけています。またアールワンの採用担当として、より良い採用活動ができるように試行錯誤中です。休日は、整体や銭湯に行き、心身ともにリフレッシュしています。
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