社内で決算報告会をやることの目的
2023/04/20
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。今年も桜の時期が終わりました。コロナで自粛されていた事務所近くの千鳥ヶ淵のライトアップが復活し、連日多くの方がお花見を楽しんでいました。
先日、アールワンにてアルバイトスタッフを含めた全スタッフに参加してもらい決算報告会を行いました。1時間ほどの時間をかけて、主に損益計算書を用いて1年間の売上、かかった経費の内訳、最終的な利益などの説明を行いました。そこで今回は、なぜそのようなことをしようと思ったのかについてお伝えします。
理由①「当事者意識を持て!のむちゃぶり」
一つ目の理由は前職時代の経験に基づくものです。私の前職はあるサービス業をしており、私はその店舗における副責任者をしていました。自店舗における売上は売上目標があるために把握をしていましたが、人件費を含めてどの程度の経費がかかっているのか、その結果どの程度の利益が出ている(もしくは出ていない)のかは教えてもらうことができませんでした。当然、会社全体の決算状況も開示されておらず、自分たちの頑張りがどのような結果に結びついているのか理解することはできませんでした。
そのような中、会社からは「当事者意識を持って働きましょう!」「経営者感覚を持ってやりましょう!」というスローガンだけが飛んできます。しかし、経営者感覚を持とうと思ったところで、実際に収支の状況が把握できなければそのような感覚を持つことはできません。そのような状況だったので当時の私は「今の状況がわからないのに頑張りようがない」「やってもやらなくても同じでしょう」と考えていました(今考えると典型的ダメ社員でした・・・すみません)。決算が開示されないことは当時の私にとってかなりのストレスでした。
そこから時代は変わり、今は私も経営者という立場になりました。その立場でやはりスタッフへ思うことはあの時の会社と同じ「当事者意識を持ってほしい」ということです。スタッフ一人一人が自分事としてこの事務所のことを考えてほしい、今ある環境を自由に使ってほしいという思いがあります。であれば当時の経験とは逆に経営数値を共有しなければならないと思いました。数値は隠されている、その状況で当事者意識を持てはむちゃぶりです。自分たちが提供するサービスの結果、お客様からどのような金額をいただき、それによって自分たちの給与がどう決まっているのか、それらを正しく伝えることが当事者意識を持ってもらう第一歩だと思ったのです。
理由②「私たちの仕事の裏側にあるものを理解する」
決算報告会をやろうと思った二つの目の理由は私自身の経営者になってからの経験に基づくものです。それは「経営は全てのことが複雑に絡み合っている」ということです。私たちは社会保険労務士業という仕事のため、ともすると人事労務の仕事がその会社のすべてのように錯覚してしまうことがあります。しかし、当然そうではありません。会社では他にも事業計画、経理業務、資金繰り、後継者の育成など多くのことが同時進行して、密接に関係し合っています。人事労務の分野はその一部分でしかないのです。そのことを理解することがとても大切になります。
例えば、私たちの業務のひとつに助成金の申請代行があります。表面的に考えれば必要書類を用意して申請書を作成、役所へ届け出て控え書類をもらい、会社にそれを納品する、これで業務は完了です。しかし、私たちがやっていることが会社のあらゆることに関係していることが理解できていれば「少しでも早く申請をしなければ」「決算が終わって次の期で申請したほうがよいのではないか」などより会社の経営に寄り添った視点が出てくるはずです。
そういったことを理解するためには会社の活動の集大成である決算書の数字を用いて説明することが一番だと思ったのです。報告会では会社が助成金を受けたときの経常利益への影響の大きさ、人件費や福利厚生費など私たちの業務が会社のどのような数字に関係しているのかを伝えました。
最後に
決算報告会をやってみて「教えてもらって嬉しかった」と言ってくれたスタッフもいました。会社の決算を開示することについては様々な考え方があり、一概に良いか悪いか判断できることではありません。ただ、私は今回やってみてよかったと思っています。それは働くスタッフの満足感につながったということもそうですが、それ以上に今後、各スタッフが自分のお客様に対して、よりその会社に寄り添った対応ができるようになると思ったからです。
今回の決算報告会が私たちの目指す「企業経営のパートナー」への第一歩になってくれればと願っています。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
アールワン作成のお役立ちページ |
---|