夜勤の際の労務管理は適切に行われていますか?
2023/06/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの大塚(おおつか)です。最近、新しくパスケースを買いました。毎日使うものなので、電車に乗るとき改札を通る度に新鮮な気分になります。
お客様から、深夜の時間帯や休日に労働する場合の計算方法についてよくご相談を受けます。今回は、夜勤をする際に注意するポイントをお伝えします。
ポイント1.割増賃金の考え方
割増賃金は、労働した時間帯や法定休日に労働した等の条件により割増率が異なります。
例1:月曜日の19時~火曜日の6時まで労働した場合(午前1時~午前2時は1時間休憩・労働時間は10時間)
22時から翌日5時までの間は深夜手当が発生し、労働時間が8時間を超えたところから時間外労働手当が発生します。4時から5時の間は深夜手当と時間外労働手当が両方発生しますので、割増率は50%(25%+25%)になります。
例2:土曜日の19時~日曜日の6時まで労働した場合(法定休日は日曜日・午前1時~午前2時は1時間休憩・労働時間は10時間)
日曜日は法定休日なので、日付を超えたところから休日手当が発生します。法定休日労働において時間外労働の適用はないので、労働時間が8時間を超えても時間外労働手当は発生しません。
22時から翌日5時までの間は深夜手当が発生します。そのため、休日手当と深夜手当が重なる日曜日0時から5時までの間の割増率は60%(35%+25%)になります。
ポイント2.夜勤明けの日は休日扱いにならない
次に、夜勤の後に休日を入れたい場合の考え方についてです。例えば土曜日の19時から日曜日の朝6時まで夜勤をしたとします。次に出勤するのは終業から24時間以上経過している月曜日の6時以降なら、夜勤明けに休日を入れたことになると考えがちです。
しかし、労働基準法では休日を「午前0時から午後12時までの継続した24時間の休み」と定めています(一部例外あり)。したがって、夜勤が終了した日曜日はすでに午前0時を超えて労働しているため休日にはなりません。月曜日に0時から24時まで労働しないことによって、はじめて月曜日が休日扱いとなります。
夜勤をする際、正しく労務管理を行うために割増賃金の条件や休日の考え方を正確に理解しておく必要があります。この他にも夜勤が常態となる場合には年2回の健康診断が義務付けられています。
これらのルールを正しく理解し、夜勤をする従業員の方の健康面に配慮しながら適切に労務管理を行っていきましょう。
社会保険労務士法人アールワン 大塚 菜津実(おおつかなつみ)
信用金庫に約10年勤めたのち、社会保険労務士を目指してアールワンに入社しました。お客様の様々なお悩みに迅速に対応するため、幅広い知識の吸収と実務対応に奮闘中です。常に相手の立場で物事を考え、解決策をわかりやすくお伝えすることを心がけます。学生時代はテニス部に所属。動物が好きで、休日は動物園や牧場、水族館をよく訪れています。
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
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