業務災害時、休業補償の支給が必要です。ご注意を!
2023/06/20
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの西嶋(にしじま)です。最近、朝食をしっかり摂るようになって、体のだるさなどがなくなり体調がとても良くなりました。今後も継続していきたいと思います。
仕事中や通勤中に従業員の方が怪我をしてしまった場合、労災保険の申請が必要となりますが、業務災害(仕事中の怪我など)の場合、注意すべき点があります。
今回は業務災害が発生した際の注意点についてお伝えします。
業務災害、通勤災害の違い
<業務災害>
仕事中の怪我や病気が該当。(業務に起因していることが条件)
例:作業中に指を切ってしまった、会社から取引先に向かう途中、交通事故に遭ったなど。
<通勤災害>
通勤中の怪我や病気が該当。(自宅⇔会社の通勤途上で発生していることが条件)
例:通勤中、駅の階段を踏み外してしまい捻挫した場合など。
業務災害発生時の注意点
①労働者死傷病報告の届出が必要
従業員が4日以上休業した場合、労働基準監督署に届出が必要です。
※休業が4日以上なくても、四半期ごとに届出が必要です。
※報告書の届出がない場合、「労災隠し」となり、罰則が適用される場合があります。
②休業した最初の3日間の休業補償の支払い
最初の3日間は会社から従業員に対して、平均賃金の60%の休業補償の支払いが必要です。休業補償は賃金扱いになりませんので、社会保険(健康保険、厚生年金)、雇用保険対象とならず、所得税についても非課税扱いとなります。
ちなみに通勤災害の場合、会社に責任がない為、①と②の対応は不要です。
会社としての対応
①労働者死傷病報告の届出について
速やかに労働基準監督署に届出を行ってください。4日以上休業が発生し、賃金の支払いがない場合に請求する休業補償給付の申請の際、労働者死傷病報告の届出がないと支給されません。
②休業補償の支払いについて
最初の3日間の勤怠が欠勤となった場合、会社から従業員に休業補償の支払いが必要です。怪我をした従業員の方から、最初の3日間について有給休暇の申請があった場合、給与が満額支給されますので、休業補償の支払いは不要です。
③給与時に休業補償を支給する場合
社会保険(健康保険、厚生年金)、雇用保険、所得税の対象外となる支給項目の作成・設定を給与ソフトで行う必要があります。対象の方がいる場合は、予めチェックリストなどに反映し漏れないよう対応が必要です。
まれに保険料が上がってしまうなどの理由で労災保険の休業補償給付の請求をせず、会社で補償することがありますが、絶対におすすめできません。労災隠しの問題もありますが、休業が長期化することで会社が補償し続けられなくなり、より大きな労務トラブルに発展する可能性があるからです。
従業員の方に不利益を生じさせない為にも休業補償の支払いと労災保険の申請は必ず行いましょう。業務災害の対応で困った際は、弊社にご相談ください。
社会保険労務士法人アールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな37歳です。担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。お客様の要望に迅速に対応できるよう、日々精進していきます。週末は家族と一緒に近所を散歩するなどしてリラックスして過ごしています。
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
アールワン作成のお役立ちページ |
---|