カスタマーハラスメントへの対策は進んでいますか?
2023/07/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。最近、何気ない日常の中で体力の衰えを感じることが多くなってきました・・・。ランニングもさぼり気味になってしまっていたのでもう一度気合を入れ直して冬にはまたフルマラソンに挑戦したいと思います!
令和2年に厚生労働省からカスタマーハラスメントについての指針が策定され、企業が適切に対応するための望ましい行動が示されました。そこで今回はカスタマーハラスメントにおいて企業の取るべき対応をお伝えします。
カスタマーハラスメントとは?
そもそもカスタマーハラスメントとは、どのような行為を指すのでしょうか。一般にカスタマーハラスメントとは、次のように定義されています。
「顧客等からのクレーム・言動のうち、当該要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なもので、その行為により労働者の就業環境が害されるもの」
勘違いしやすいのが、顧客からのクレーム=全てカスタマーハラスメントという考え方です。クレームとは、本来顧客からのサービス向上や品質改善についての意見になります。そのため、正当なクレームはその企業にとってサービス向上などのチャンスと捉えることができます。しかし、そのクレームの伝え方が「怒鳴る」「脅迫する」「長時間拘束する」など社会通念上不相当な場合には不当クレーム、つまり今回のテーマになっているカスタマーハラスメントになってしまいます。
相談件数が増えているハラスメントについての厚生労働省調査によれば、19.5%の企業がカスタマーハラスメントについての相談が増えていると回答しています。(ちなみに、パワーハラスメントは48.2%、セクシャルハラスメントは29.8%でした)
カスタマーハラスメントから会社と従業員を守るために
それでは、このように増えているカスタマーハラスメントのトラブルに対して、企業は何をすればよいのでしょうか。前述した厚生労働省の指針では次のことを求めています。
① 会社の方針・姿勢の明確化
② 相談体制の整備
③ 方針や相談体制の従業員への周知・研修
この中で一番重要なことは、「会社の方針・姿勢の明確化」です。カスタマーハラスメントは
多くの場合、お客様に一番近い場所で発生します。そのような場所では、アルバイトの方や入社して間もない方が勤務されていることもあると思います。その方たちが、顧客のクレームを受けた際に、その内容が正当なものか不当なものかを判断するのは簡単ではありません。そのため、企業として「どのようなことを要求されたら断るべきか」「どのような言動や行動があった場合には本社に通報するか」などの基準を決めて、周知しておく必要があります。
例)金品を要求するような直接的な発言がない場合でも、「誠意を見せろ。」などの発言があった際には、自分で判断せずに本社に報告をすること。その際、回答は後日になる旨を伝えてお名前、折り返しの連絡先を確認しておくこと
企業として顧客の要望をできる限り叶えたいという思いはあるかもしれません。しかし、不当なクレームで、従業員の就業環境が害されてしまい、結果として退職するようなことになってしまえば、それこそ企業にとって大きな損失になります。
顧客と従業員、どちらも経営者にとっては大切な存在です。その大切な両方を守るためにも、カスタマーハラスメントについての企業としての姿勢をはっきりさせておく必要があります。基準をつくる際は、現場のヒアリングを基に社内でディスカッションすることが効果的です。アールワンではそのサポートも行うことができますので、ご興味ありましたらご連絡ください。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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