みなさん、「360度評価」をされていますか?
2023/08/30
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。来年2月に4年ぶりとなるフルマラソンを走ることになりました。現役当時(?)と比較すると年齢を重ね体力が落ちており若干不安ではありますが、「目指せ、サブ4!」ということでトレーニングをしていきます!
今回のブログのテーマは評価手法のひとつである「360度評価」についてです。この記事を読まれている方でも自社において360度評価を導入していることがあると思います。この手法ですが、実際のところ効果はあるのでしょうか。
360度評価とは?
360度評価とは評価者が被評価者(評価される人)の上司だけではなく、被評価者の同僚や部下など複数の人が評価者となり評価を行う制度です。360度評価のメリットとしては一般的に次のようなことが挙げられています。
【評価の納得性の確保】
特定の上司一人が評価を行う場合、被評価者が納得できないと感じる評価があった場合に「公平に評価されていない」と感じてしまうことがあります。しかし、複数人で評価をしていればある程度の納得感を与えることができます。
【評価の客観性の確保】
特定の上司のみの評価ではその人の主観が入った評価になる可能性があります。360度評価であれば複数人が評価するため、評価結果がより公平で客観的なものになります。
このようなメリットがあると言われる360度評価ですが、実際に導入をしたほうがよいのでしょうか?
360度評価は評価者の逃げである
結論、私は360度評価は不要だと思っています。その理由は2つあります。
ひとつめの理由はメリットと言われる「納得性」「客観性」についてです。評価する評価者が部下としっかりコミュニケーションをとって関わりを持ち、その仕事ぶりを把握することができていれば納得性や客観性は自然と高まるはずです。それを行わずに(できずに?)納得感を高めるために他人の評価を入れるということは評価者としての責任を放棄していることと同じです。当然、誰しも最初から完璧な評価者ではありません。色々勉強し、試行錯誤する中で評価者としての自覚やスキルを身につけていくものです。それを行わずに360度評価で解決しようとするのは少し安易なのではないでしょうか。
ふたつめの理由は「ご機嫌取り」になってしまう危険があるということです。例えば上司の立場である人の評価を部下がすることになった場合、上司は部下に対して厳しいことを言えるでしょうか。本来であれば部下の成長を考えて厳しく指導をしなければならない場面なのに、それをすると自分の評価が下がってしまうかもしれない、であれば言わないでおこうとなってしまう可能性があります。もちろんそのような人ばかりではないと思いますが否定はできません。また、逆に部下の視点から見ても「自分が上司を評価できる立場である」という勘違いを起こさせてしまうかもしれません。
このように360度評価にはメリットとデメリット両方がありますが、私はデメリットのほうが大きいのではないかと感じています。納得性や客観性を高めたいということであれば、評価者研修の実施やフィードバック面談の徹底、評価シートのブラッシュアップなどの方法があります。これらを行うことが本当の意味で会社と働く従業員の成長のための評価制度に繋がると思います。
現在の評価制度の見直しや点検をしたいということがあればアールワンまでご相談ください。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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