政府のこども未来戦略方針の発表を聞いて思うこと。
2023/09/10
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの西嶋(にしじま)です。先月、家族でディズニーランドに行ってきました。暑かったですが、子供と一緒に色々なアトラクションに乗り、楽しい時間を過ごすことができました。
現在、日本では少子高齢化が進んでおり、これ以上進むと国の経済・社会保障制度が維持できないという状況になっています。また、2022年の子供の出生数は77万747人となっており、2016年の出生数97万6,978人と比較してたった6年間で20万人減少しています。このような状況に歯止めをかける最後のチャンスとして、「こども未来戦略方針」が決定されました。
しかし、私は今回の方針発表により、今後、人手不足が加速するのではないかと感じています。
人手不足の要因となりそうな方針
方針①
106万円、130万円の壁を意識することなく働けるような体制と短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引き上げに引き続き取り組む。
国として社会保険に加入して手取り収入が減らないよう、労働時間の延長や賃金アップに取組む企業に助成金などの支援を行うとしていますが、果たして効果はあるのでしょうか。
最低賃金が毎年約40円アップしていることを考えると、年収の壁がある以上、働く時間を抑えてしまう状況は変わることはないでしょう。年収の壁の上限を引上げ、働く時間を抑える人が増えないよう対応しないと人手不足が加速し、会社経営に影響が出るのではないかと思っています。
方針②
男性の育児休業の取得が当たり前になる社会
「産後パパ育休」(最大28日)を念頭に、出生後一定期間内に両親共に育児休業を取得することを促進するため、給付率を現行の67%(手取りで80%相当)⇒80%(手取りで100%相当)への引上げが検討されています。現在、「従業員が1,000人を超える会社の事業主は、男性労働者の育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務」となっており、会社は法的義務と企業イメージアップの両面で対応に力を入れるべき項目となっています。
規模の大きい会社であれば、育児休業による欠員補充は問題ないかと思いますが、中小企業は簡単にはいきません。育児休業を取得した方の給付金の増額だけでなく、休業の取得を支援している会社(中小企業)に対しての援助も必要ではないかと考えています。
また、育児休業だけでなく、介護の問題も徐々に影響が出てきています。介護が原因の離職者は年々増加し、2022年は約9.5万人にも及んでおり、今後、介護が原因による人手不足も予想されます。育児・介護と仕事の両立が可能となるよう柔軟な働き方(在宅勤務、テレワークなど)の導入の検討、欠員が発生した際の業務体制の見直しが必要となっています。
毎回、会社や働く人に負担が強いられてしまうことに憤りを感じていますが、お客様がより良くなるための対策・対応を一緒に考えていきます。
社会保険労務士法人アールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな37歳です。担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。お客様の要望に迅速に対応できるよう、日々精進していきます。週末は家族と一緒に近所を散歩するなどしてリラックスして過ごしています。
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
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