放置できない、働く人のメンタルヘルス対策
2024/02/20
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの中村(なかむら)です。
最近は、お客様から、社員様のメンタルヘルス不調に関する相談が増えました。今回は、働く人のメンタルヘルス対策についてお伝えします。
対策1:自分の中の「~ねばならぬ」に気づく
例えば、自分の力量に合う業務以上に抱え、手放せずにいる社員がいたとします。もしかすると、その人は、スピーディで高品質なアウトプットで「業績評価を上げなければならない」と考えているかもしれません。このような時に、負荷軽減を働きかけても「業績評価を上げられない」「スキルが活かせない」と考えていれば行動は変容しません。
第三者には非現実的な思考でも、本人にとっては信念や価値観であり、人は、この判断に基づき行動します。自分の中にある「~ねばならぬ」思考が強くなると、行動抑制がきかず、本人も気づかぬうちに自分に無理難題を課せてしまいます。このような「個人の思考」もメンタルヘルス不調を引き起こす原因の一つです。
そのようなときに自分で気づく方法として、セルフチェックのページがあります。下記は厚労省のページで、登録なしで実施できます。(実施時間;5~10分)
https://kokoro.mhlw.go.jp/check/index.html
対策2:同僚を観察し、「いつもと違う様子」があれば伝える
メンタルヘルス対策では、毎日顔を合わせる同僚からの支援も大切です。急性ストレス反応の段階で対処すれば短期で快復できますが、放置すると心身の疾病を引き起こします。疲れている様子、やつれた表情などの「いつもと違う様子」は「急性ストレス反応」です。
慢性的なストレスは、その状態を「当然」とし、感覚を麻痺させますので、自分の身体的不調や心理的反応の異変に気づけません。同僚の「いつもと違う様子」に気づいたら本人に伝えて気づかせてあげてください。
例えば、相手も受け入れやすいように、
【客観的事実】最近残業が続いているようだね。
【気持ちを表現】体調も悪そうに見えるし心配だよ。
【提案】一度病院で診てもらったらどうかな?
【別の選択肢】一週間ほど様子を見て、それでも不調なら受診を考えてみては?
というように、ステップを踏んで「別の選択肢」も伝えられると、心配している気持ちと共に受診検討も促せると思います。
対策3:仕事のやり方を共有し、社員同士の交流を図る
社員が定着しないのは、OJT(職場内で実務を通してスキルや知識を教える教育手法)の時間が無いから、というお話がよくあります。OJTが無くミスを発生させてしまったり、仕事の進め方がわからないことが新人の離職理由になっているということもあります。
このようなときにできる対策は、仕事のやり方や手法を、個人のスキルに留めず、社内で共有し合い、社員交流の場を作ることです。わからないことは「教えてほしい」と躊躇なく言え、出し惜しみせず提供し合う風土をつくることです。風土づくりは、社員同士の信頼関係の構築から始まります。
アールワンでは、社員の皆さま同士の「信頼関係構築の『きっかけ』」のご相談も承っています。
社会保険労務士法人アールワン 中村 智子(なかむらともこ)
電機メーカーに2社勤務後、ハローワークで人材確保・社員定着を支援していました。
キャリアコンサルタント、産業カウンセラー、メンタルヘルス関連の資格も取得しています。弊社のメンタルヘルス・ハラスメント・コミュニケーション研修を担当しており、社員の皆様が「活き活き働ける職場」を共につくりたく思います。一念発起し、禁酒ダイエット中です。
140社の人事労務をサポートする、東京都千代田区の社会保険労務士法人アールワンが提供。人事労務ご担当者の方の実務に役立つ情報をお届けします。
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