2024年度の人事労務関連トピックス
2024/03/20
こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。先日、4年ぶりのフルマラソン大会に参加してきました。自己ベストの更新はできませんでしたが、なんとか目標としていた4時間以内の完走を達成することができ、満足する結果となりました。
間もなく4月を迎え、2024年の新年度がスタートします。年度替わりは大きな制度変更が行われるタイミングでもあります。そこでは今回は2024年度における人事労務関連トピックスをお伝えします。
「時間外労働の上限規制の完全実施!」
今まで時間外労働の上限規制の対象外であった運送業や建設業においても2024年4月以降に36協定の上限が適用されることになります。
※運送業の上限規制についてはこちらの記事もご参照ください。
実際に弊社の顧問先でもこの問題にどのように対応していくか多くの企業が頭を抱えています。例えば、建設業でいえば今の工期がそもそも土曜日を含めた週6日稼働を想定して組まれている中で週40時間以内にすることは至難の業です。
私も対策プロジェクト会議に参加したり、従業員の方へ直接ヒアリングをする機会がありますが、多くの方がおっしゃるのは「とにかく人を入れるしかない」ということです。もちろん、それが解決策であることは間違いありませんが、建設業において人一人採用することは簡単なことではありません。
そのような中でどうすれば上限の中で働いてもらうことができるのか・・・実例として、ある会社では年度末に工事が集中する、逆にそこを過ぎると比較的業務量が落ち着くということがヒアリングでわかりました。そのため、1年単位の変形労働時間制を採用することでなんとか上限内になる見通しを立てることができました。このようにその会社の状況に合わせた対策が必要となるため、もしお悩みの会社があれば弊社までご連絡ください。
「所得税、住民税の定額減税実施!」
2024年6月以降に「定額減税」が実施されることが決定しました。内容は一人あたり所得税3万円、住民税1万円の減税を行うものです(扶養家族がいる場合にはその人数分を加算)。だいぶ制度の詳細も発表されるようになったため、私たちも定例ミーティングなどで顧問先にこのことをお伝えしています。概要をお伝えしたときの経営者、人事担当者はみなさん「信じられない・・・」という反応をされます。それもそのはずで、年末調整で行えば簡単(それでも複雑ですが・・・)に済むものをわざわざ毎月に分けて計算をしなければならない、そしてその管理を会社がしていかなければならないためです。
年末調整ではなく夏前のタイミングで行う理由はいろいろ想像されますが、企業の負担を全く考えていない施策であることは否定できません。とは言え実施は待ったなしです。企業として間違いない処理をすることはもちろん、このようなことが行われるということを従業員の方へ正しくアナウンスをする必要があります。今のところ国からそのような資料は発表されていませんが、もしこのまま発表されないようであれば弊社オリジナルでの作成を検討しなければと思っています。
今回は主に2つのトピックスについてお伝えしましたが、この他にも障害者法定雇用率の引き上げや専門業務型裁量労働制の運用変更などもあります。いずれについても実際の雇用の場で起きていることと法律でやろうとしていることの乖離が大きすぎると感じます。制度を作る人には是非、一度現場で何が起きているのか見てもらいたいと思います。
このような状況の中で私たちができることは何なのか?「四角い法律を丸く」という事務所のコンセプトのとおり、現実に合わない法律をなんとかその会社にあった丸い形にしていくことが私たちの役目だと思っています。一部の会社にとっては厳しい状況は続きますが、一緒に乗り越えていきましょう!
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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