アールワン日誌 Blog

みなさん、定額減税はご存知ですか!?

2024/05/30

みなさん、定額減税はご存知ですか!? - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。先日、ケツメイシのライブに行ってきました。特にファンではなかったのですが、笑いあり、涙ありのあっという間の3時間ですっかりその魅力に取りつかれてしまいました!次回のライブも必ず参加したいと思います。

いよいよ6月から「定額減税」制度が始まります。しかし、経営者、人事担当の方と話をしていると「なんとなく聞いたことはある」「実際に何をしていいかわからない」という方がほとんどです。そこでは今回はこの定額減税についてお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

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定額減税とは?

定額減税とは物価上昇による国民への負担軽減策として政府が行う緊急対策になります。具体的には一人あたり所得税3万円、住民税1万円を減税します(扶養家族がいる場合には、その人数分減税額が加算されます)。

ここでこの制度を分かりにくくしているのが「減税」ということです。以前、新型コロナウィルスの感染が流行ったときに、一人あたり一律10万円の「給付」がありましたが、今回はあくまで減税のため、発生した税金を少なく(免除)するというものになります。そのため、普段あまり税金を気にしていない人とっては効果を実感できない可能性があります。

 

実際の減税方法は?

それでは実際にこの定額減税はどのような方法で行われるのでしょうか。住民税と所得税ではそれぞれ異なります。

まず住民税ですが、1万円の減税が行われます。住民税は住まいの市区町村が毎年年税額を計算して会社に通知をします。今頃、各市区町村から通知が届き始めていますが、それを確認すると今年は本来の年税額から1万円が引かれています。そして残りの金額を7月から5月まで11分割で控除していきます。

住民税に比べて所得税は少し複雑です。一人あたり3万円の減税が行われますが、6月1日以降に支払われる給与や賞与で本来発生する所得税をこの3万円の枠を使いきるまで発生させないことで減税を行います。3万円を使い切ったところで通常どおり所得税の徴収をしていきます。

ここで大きな問題があります。この定額減税の控除枠の管理や計算を会社が行わなければならないということです。給付であれば基本的に会社に負担はありませんが、今回は減税という形をとったため会社に大きな負担が発生することになってしまいました。

 

会社が困っていることは・・・

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この制度で会社が困っていることは主に2点あります。1点目は「従業員への周知方法」です。なんとなく定額減税という言葉は聞いたことがあっても実際にどのように行われるかは知らない方がほとんどです。しかし、会社から支払う給与で減税を行うため、何かしらの方法で従業員へアナウンスをしておく必要があります。

それでは国は働く人に向けてそのような説明文を用意してくれているのでしょうか。答えは「No」です。国税庁から制度説明や計算方法が記載された冊子が会社に届きましたが、私が見ても何が書いてあるかわからず、ゴミ箱に直行することになりました(すみません・・・)。実際に多くの担当者がどのようにこの制度を従業員に説明するか悩まれていました。

そこで私たちは制度の概要をまとめたリーフレットを作成することにしました。なるべく文字での説明を省略してイラスト入りでわかりやすくしました。これを顧問先に配布してアナウンスをしていただくことで、少しでもみなさんが理解できたのではないかと思います。

 

2点目の困りごとは「実際の計算方法がわからない」ということです。所得税の減税枠は一人あたり3万円ですが、扶養家族がいる方はその分減税枠が増えていきます。誰がいくらの枠を持っていて、それを何月の給与でいくら使ったかを把握して反映していかなければなりません。給与システムを導入している会社であればシステムが自動で対応しくれます。ただ、お客様の中では社長自らがエクセルなどで計算をしているところもたくさんあります。そのような状況で正しく計算を行うことは実際には不可能に近いです。

そのような会社からご相談を受けたときには「6月から実施せずに、年末調整で対応しましょう」とお伝えしています。もちろん本来であれば6月から実施をすることが原則です。しかし、突然始まった制度で、かつやり方も非常に複雑なため会社の事務負担は相当なものになります。限られた人数で日常業務に追われている会社にとって、この制度はあまりにも負担が大きすぎます。そのため、事前に従業員へ説明をしたうえで、年末調整で減税を行うこともひとつの選択肢だと考えます。

 

今回の定額減税制度については、私も一経営者として思うことはたくさんあります。しかし、制度の開始は待ってはくれません。国が現場のことを考えてくれない以上、私たちがその間に入って現実的な対応を一緒に考えていく、それが私たちの役目だと思っています。

 

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濵中 伸介(はまなかしんすけ)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!