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自転車の危険運転に関する罰則が強化されました。会社が行うべき対応は?

2024/12/15

自転車の危険運転に関する罰則が強化されました。会社が行うべき対応は? - 社会保険労務士法人アールワン | 東京都千代田区

こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの西嶋(にしじま)です。最近、埼玉にあるホルモン定食のお店に朝食を食べに行っています。美味しすぎてつい食べ過ぎてしまうので、太らないように注意します。

2024年11月から道路交通法改正により、自転車の危険運転に関する罰則が強化されました。罰則強化にあたり、通勤などで自転車を使用している従業員がいる会社は周知・教育を行う必要があります。

今回は改正内容と会社が行うべき対応についてお伝えします。

 

企業の経営者・担当者さま

「もっと詳しく知りたい」「今この件で困っている」そのようなときには、こちらよりご連絡ください。

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強化された罰則

今回の改正道路交通法で自転車の運転に関するルールが強化されたのは、近年、自転車による交通事故が増加しているためです。全交通事故に占める割合23.5%が自転車によるものとなっています。
(参考:国家公安委員会・警察庁「令和6年版警察白書」から政府広報室作成)

(1)「ながらスマホ」に対する罰則

 ①自転車運転中に「ながらスマホ」をした場合
→6か月以下の懲役又は10万円以下の罰金

 ②自転車運転中の「ながらスマホ」により交通事故を起こすなど交通の危険を生じさせた場合
→1年以下の懲役又は30万円以下の罰金

(2)自転車の酒気帯び運転、ほう助に対する罰則

 ①酒気帯び運転
→3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 ②自転車の飲酒運転をするおそれがある者に自転車を提供し、その者が自転車の酒気帯び運転をした場合
→自転車の提供者に3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

 ③自転車の飲酒運転をするおそれがある者に酒類を提供し、その者が自転車の酒気帯び運転をした場合
→酒類の提供者に2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

 ④自転車の運転者が酒気を帯びていることを知りながら、自転車で自分を送るよう依頼して同乗し、自転車の運転者が酒気帯び運転をした場合
→同乗者に2年以下の懲役又は30万円以下の罰金

 

会社の対応について

①自転車使用時の安全教育の実施
酒気帯び運転、ながらスマホ、傘差し運転禁止、イヤホン・ヘッドホン禁止、右側通行禁止等の道路交通法で禁止されている項目と強化された罰則について周知・教育を行う。

②就業規則に自転車利用時のルールがあるか確認、無い場合は追記する
「自転車を利用する際は、道路交通法を遵守すること」(業務・通勤利用者両方に適用させる)
※職場などでの飲み会後は、自転車の使用を禁止とする。
「自転車利用者(通勤の場合)は、1億円以上の対物・対人の自転車保険(個人損害賠償保険)に加入した上で会社に申請し、許可を得ること」(許可制にする)

また、業務中に自転車を使用する機会がある会社は施設賠償責任保険への加入を検討ください。(業務中の自転車事故は個人賠償責任保険では補償されない為)

 

自転車事故の加害者となり、後遺症が残るようなケガをさせてしまった場合、刑事罰だけでなく民事上で高額な賠償金(約1億)の負担が生じます。個人だけでなく会社への使用者責任も問われる可能性があるため、会社は違反・事故を発生させない対応を行っておきましょう。

 

企業の経営者・担当者さま

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西嶋 一樹(にしじまかずき)のイメージ

執筆者

社会保険労務士法人アールワン 西嶋 一樹(にしじまかずき)
サッカーと水泳が好きな37歳です。担当しているクライアントのほとんどが100人未満の中小規模の会社様ですので、大企業とは異なるスタイルでの人事労務のリスクマネジメントに腐心しています。お客様の要望に迅速に対応できるよう、日々精進していきます。週末は家族と一緒に近所を散歩するなどしてリラックスして過ごしています。