こんにちは。東京都の社会保険労務士法人アールワンの大塚（おおつか）です。今年のお正月休みは途中で体調を崩してしまい、後半はずっと寝込んでしまいました。せっかく実家に帰省したのに家族で初詣に行くことも叶わず、体調管理の大切さが身に沁みました。

社会保険手続きにおいて、離職票の作成は欠かせません。社会保険担当の皆様は、雇用保険資格喪失者の状況に合わせて様々なパターンの離職票を作成していることかと思います。

今回は、離職票作成の実務において、書き方や添付書類で注意が必要なケースを紹介します。

１.途中で時給から月給になったケース

入社時は時給制のアルバイトだったけれど、途中で月給制の正社員になった方の離職票を作成する場合等が当てはまります。

例）令和6年1月1日入社、令和6年12月31日退職　月末締め、令和6年9月1日より月給制に変更の場合

8月31日までは時給制で勤務していた期間であるため、「7月1日 ～ 7月31日」、「8月1日 ～ 8月31日」の賃金はⒷの欄に記載します。時給制であった期間の⑨および⑪の基礎日数は、実際に出勤した日数(有給休暇を含む)を記載します。

9月1日からは月給制で勤務していた期間であるため、9月1日以降の賃金はⒶの欄に記載し、⑨および⑪の基礎日数は暦日数を記載します。特記事項または備考欄に、「令和6年9月1日より月給制に変更」と記載しておきましょう。

２.傷病休職期間満了により離職したケース

傷病休職期間満了により離職した場合、離職理由の確認のため、以下のような書類の添付が必要になります。

①  就業規則の休職規定部分
②  休職期間満了通知
③  休職により賃金0円の期間を離職票の記載から省略する場合は、その期間の傷病手当金申請書の写し等

③について、最終月を除き、賃金が0円の月かつ就労不可の期間と理由が確認できる医師の証明書(傷病手当金申請書の写しや診断書等)を添付すると、その期間の離職票の記入を省略することができます。添付しない場合は、休職中の賃金0円の期間もすべて記入が必要になるので注意しましょう。

３.退職勧奨合意により離職したケース

会社から従業員に退職勧奨をし、合意により離職となった場合は、離職票の「離職理由」欄は「事業主からの働きかけによるもの」に該当します。離職理由の確認として、「退職合意書の写し」を添付します。退職合意書は、会社と従業員の双方が退職に合意していることを示す書類です。

退職者とスムーズに退職合意書を取り交わすために、合意書には退職日、退職事由、退職条件等のほかに「離職票の離職理由を会社都合退職とする」ということも記載しておくと良いでしょう。

離職票は、離職者の失業給付の受給手続きを行うのに必要な書類であるため、正確かつ速やかに発行手続きを行う必要があります。記載ミスや添付書類漏れ等で手続きが遅れてしまうことのないよう、慎重に対応していきましょう。