時代小説を読んでいて、現代の保障制度は本当にありがたいものだなあと。
2014/09/22
こんにちは。社会保険労務士法人アールワン代表の高澤(たかさわ)です。藤沢周平さんの時代小説にすっかりはまっており、今回のテーマもそこから生まれています・・・。
江戸を舞台にした時代小説を読んでいると、昔の人はたいしたものだとつくづく感心してしまいます。
病気になっても健康保険証があるわけでもなく、いわば医療費は全額負担(たまには野菜で現物支払い)。一家の稼ぎ手が障害者になったからといって受けられる保障もなく、幼い子供が食い扶持を減らすために丁稚奉公に出て、病気の親に仕送りをして・・・読んでいるだけでつい涙腺が緩んでしまいます。
さて、時は変わって今では社会保険制度は当たりまえのものとなりました。
日本でスタートしたのは昭和2年。「国民皆保険」にいたったのは、昭和36年ですね。平成の現在にいたっては、社会保険制度の保障だけではなく、多種多様な民間保険の商品も出ており、民間保険でカバーできない事象は無いようにも感じられます。
ますます充実してきた民間保険
そのようななかで、これまで民間保険の弱点であったのが「障害保障」です。
社会保険制度における障害厚生年金は、障害の重い順から「1級」「2級」「3級」となっており、年金が支給されます。しかし、民間保険では、最も重い「1級」の状態にのみ保険金が支払われる商品しかありませんでした。死亡時や一定の年齢になったら支給される民間保険は沢山あるものの、障害に対しては十分なフォローができていない状態だったのです。
ところが、実はこれさえももはや過去の話。
この2014年8月以降、「2級」「3級」の障害状態でも支給される新商品として、「障害厚生年金に連動するもの」や「障害者手帳の1級から3級に連動するもの」などが各社から次々に発売されることとなりました。「将来への漠然とした不安」が背景にあるとすれば喜んでばかりもいられませんが、選択肢が増えるということは間違いなく良いことでしょう。
現代における「家族をまもるために必要なこと」は?
幼い子が丁稚奉公に行く時代から時は過ぎ、ここまで社会保障、民間保険が充実した現在、「一家の生活をまもるために必要なこと」が昔のそれとは当然に変わっていると感じます。
選択肢が増えた現代における最良の行動は、「できるだけ多くの情報のなかから、あらかじめ本人と家族が納得できる選択をしておくこと」だと言えます。
とはいえ、選択肢が増えたことで現代の保障制度はどれも複雑化してしまっており、仕組みや給付内容が決してわかりやすいとは言えません。
誰でも簡単に自分のための情報収集ができるように、そして万が一の際には正しく給付金を請求できるためにも、もっとこの分野の情報をシンプルに伝えられる仕組みが必要だと感じているところです。
社会保険労務士法人アールワン 高澤 留美子(たかさわるみこ)
社会保険労務士事務所を開設して、歳月がたちました。最初の事務所は自宅の子ども部屋でした。お客様と本音でつながっている「パートナー」になれるよう、日々研鑽しています。モットーは「人間万事塞翁が馬」です。
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