怒り爆発!?厚生年金基金の解散説明会でのワンシーン。
2015/06/30
こんにちは。社会保険労務士法人アールワンの濵中(はまなか)です。最近、なぜか畑作業に興味がわいていまして、夏休みには実家でとうもろこしやスイカの収穫を手伝ってこようと計画しています。
2012年のAIJ問題の発覚により厚生年金基金を取り巻く状況はとても厳しくなっています。私が担当している会社様が加入している基金もいよいよ解散をすることとなり、その説明会に会社様の社長とつい最近参加してきました。
今回お伝えするのは、その解散説明会の印象的なエピソードです。
説明会の空気が一変したひと言
説明会は冒頭から、基金の存続基準や現在の財政状況など、存続していくことが困難(「解散」しか選択肢がないこと)であることが、基金の担当者から淡々と説明されていきます。
それを聞いている参加者の皆さんも半ばあきらめのような表情。それだけで、説明会の予定時間である1時間が終了しようとしていました。
しかし、その空気が最後の質疑応答の時間に一変しました。
ある女性社長が
「あなたたちの説明は専門用語ばかりで私にはちっともわからない!従業員に対してどう説明すればいいんですか!」
と声をあげたのです。
基金の担当者の本音が・・・
その発言をかわきりに、参加者からは質問の嵐がはじまりました。それに対して、基金の担当者も懸命に言葉を選んで回答をしていきます。
そして、その時間がさらに1時間ほど続いたでしょうか。ある瞬間に、回答していた基金の担当者の言葉がつまりました。
「・・・」
うつむいて震えているようにも見えました。
やがて、しばらく時間があいて出てきた言葉は
「私も続けていけるのならば続けていきたいです、でも国の方針で続けることができないんです!」
さらに
「私はこの基金が設立されたときに、一般で採用されて20年間勤めてきました。天下りではありません!」
と・・・。
いつもしわ寄せは現場に
確かにこの発言は説明会の担当者としては不適切だったかもしれません。
でも、それを聞いた私は気持ちが動きました。
そもそも基金は国からの天下り先として多くの役人を受け入れてきました。それが、AIJ問題をきっかけに世論が批判的になった途端、国はどう考えても存続できないような基準を設けて基金が解散せざるをえない状況にしたのです。(もともと少子高齢化が加速的に進む現状で存続することは難しかったといえますが)
年金情報流出の時もそうでしたが、国が決定したことに対して責任を取るのは、いつも現場なのだと感じます。
私は、あの時の基金の担当者が見せたなんともくやしそうな顔を今も忘れることができません。
社会保険労務士法人アールワン 濵中 伸介(はまなかしんすけ)
お客様との「関係性」の構築を大切に考えています。私たちのやることが企業やそこで働く従業員の成長・発展に繋がるよう日々奮闘しています。趣味はランニングとミスチル、それとお酒を飲みながら人と会話をすることです。みなさん、よろしければお声掛けください!
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